・・・以下の文章は、
▼「自由主義」的・拉致被害者救済運動のすすめ(仮)
http://d.hatena.ne.jp/claw/20050208
という企画の一部を構成するものです。
今回は、
・民衆法廷の判事が「北朝鮮の工作員」だなんて、実は安倍氏も信じていない。
その根拠は、1/13放送の報道ステーション(テレビ朝日)での安倍発言にある。
そのロジックの墓穴とは?
あれは1日で考えた、2ちゃんねらレベルの嘘(笑)だったのだが、
論理的な思考のできない、マインドコントロールされた愚か者だけが信じ込んだ。(@∀@)
というテーマについて書いて見たいと思います。
自民党の安倍晋三氏が、さる1/13放送の『報道ステーション』で見ているほうが恥ずかしくなるような数々のマヌケ発言を連発したことは、番組の内容を知っている人にはもはや明らかだと思うのですが・・・
▼「報道ステーション」に出演した安倍晋三氏の発言(2005年1月13日)
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000431.html
・・・いまだにこれをウノミにしている人が多いことには非常に驚かされます。
で、この発言に関しては、女性国際戦犯法廷の運営にかかわったNGO(バウネット)のほうから、「これだけ事実に反している」という公開書簡が既に出されています。
▼安倍晋三氏の事実歪曲発言について
by戦争と女性への暴力日本ネットワーク(VAWW-NET Japan)
全文 http://www1.jca.apc.org/vaww-net-japan/nhk/appeal050117.html
おもな論点整理 http://d.hatena.ne.jp/claw/20050117#p1
これだけでも安倍氏の発言の信頼性をひっくり返すには十分な気もしますが、わたしはバウネットが指摘していない安倍発言のトンデモポイントを指摘して、皆さんに微妙な笑いを提供してみたいと思います。
たとえば、これ。
>安倍「(略)そしてその、そもそもこの模擬裁判なんですが、(中略)そしてなんと検事にですね北朝鮮の代表者が2人なっているんですね。この検事は黄虎男氏と鄭南用氏って人がなっているんですが、この2人はですね、これはもういわゆる"工作員"として認定されていて、その後日本はビザを発給していないんですよ、この人物達には。いわゆる"工作活動をしている"という認定が有ったんですね。その人たちを検事として、裁く側としてですね、登場させている裁判だったというのも事実。しかし、だからといって私がそれを主催者側の意図どおり作った番組だからといってそれを事前に検閲するというのは慎まなければいけませんから、それはやっていない。私が申し上げたのは公平で公正な、たまたま向うが説明に来ましたから、説明に来た中でそういう風に申し上げたに過ぎない。」
(略)
>加藤「工作員なんですか?」
>安倍「そりゃあ事実上工作員でもあるんですね」
>加藤「はぁ〜」
>安倍「恐らく、加藤さんには窺い知れない世界だと思います。それだけ国際政治に加藤さんもしかしたら精通しておられないと思うんですが、北朝鮮という国はですね、」
>加藤「あのぉ、黄さん、は、多少は面識、ていうか、有るんですけど…」
>安倍「やっぱそれは面識有るんだと思います。」
>加藤「はぁ…」
>安倍「その時にマスコミ関係者からですね情報を取る、そしてなるべく北朝鮮のシンパにしようとすると言う事を所謂『オペレーション』と呼ぶんですね。それに関ってるからこそ加藤さんに接触したんじゃないかなぁ、とこう思いますね」
(略)
>安倍「(略)二人の所謂"工作員"というのはですね所謂ジェームスボンドみたいな工作員ではなくて非常に広い意味での工作員というのは、例えば、堂々と"工作課"というのがあって、それは日本で政治的な工作を行うというのであれば、例えば古舘さんに接触をしてなるべく北朝鮮の事を理解してもらおうという行動を取ればこれは工作活動なんですよ。これには黄虎男氏も、日本語非常に上手いですから、私もその場に立ち会ってる。その後2回ビザは発行されなかったんですね。それは(活動に)彼らが関っているからであって、それはその彼らが検事として関っている(民衆)裁判を正当な裁判として報道し様としていたこれもまた事実なんですね。(以下略)」
※全文はhttp://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000431.htmlにあり。
この段階ですでにかなりオカシイ。(@∀@)オカシすぎる。
以下、トンデモポイントを列挙してみよう。
【と1】なぜ安倍氏は、「黄虎男氏と鄭南用氏を"工作員"として認定したのは、どこの官庁で、いつ認定したのか」を明言できないのか?
【と2】北朝鮮の"工作員"がマスコミ関係者から情報を取る、そしてなるべく北朝鮮のシンパにしよう/北朝鮮のことを理解してもらおうとすることがあるとして、なぜそれをハングルでなく、『オペレーション』と英語で呼ぶのか?(笑) そもそも、そう呼んでいるのは、いったいどこの誰なのか?(笑)「古舘さんに接触をしてなるべく北朝鮮の事を理解してもらおうという行動を取ればこれは工作活動」というが、その定義のソースはどこにあるのか?・・・ひょっとして、自分で勝手に言ってるだけじゃないのう?(@∀@)
【と3】ひょっとしたら安倍氏は、英語のoperationの意味をわかっていないのではないか?・・・ひょっとしたら安部氏は"工作員"の英訳を知らないのではないか?・・・いやいやさらに、ひょっとしたら安倍氏は、"工作員"という日本語の意味も知らないのではないか?・・・ひょっとしたら安倍氏は、これでも「国際政治に精通している」つもりなのだろうか?(笑々)
【と4】安倍氏は黄虎男氏と鄭南用氏が北朝鮮の"工作員"だというが、その情報をなぜNHKのプロデューサーに伝えなかったのか?・・・いやいやそれどころか、その情報をなぜ今まで国民の前に公開もせず、隠していたのか?(@∀@)「こんな北朝鮮の工作員が策動してますよ」と周知徹底しなかったのは、いったいナゼなんだろう?
・・・各社国語辞典によれば、「工作」という言葉は「裏工作」「政治工作」「隠蔽工作」「事前工作」など、表面に現れない活動、物事の裏面での活動という意味あいで使われるのが一般的です。
・・・また「工作員」は、英語ではspy、secret agent、operative、moleなどであるが、いずれの英和・和英・英英辞書においても「表面に現れない場所で秘密に活動する者」という意味あいで解釈されている。
▼ヤフー辞書(国語・英和・和英) http://dic.yahoo.co.jp/
▼goo辞書(国語・英和・和英) http://dictionary.goo.ne.jp/
▼OneLook(複数の英英辞典を一括検索) http://www.onelook.com/
・・・一方、安部氏によれば黄虎男氏と鄭南用氏は「(北朝鮮の)工作員」であるはずなんですが、彼らは実際には日本国内においては公然の場で発言・活動を行っています。当然です。彼らは民衆法廷に韓国代表とともに統一コリア検事団として参加していたのであって、公然の場で自民族の女性に対する旧日本政府の戦時性暴力を告発するのが目的だったのですから、わざわざ裏面で工作する必要はなかったわけです。
・・・さらにまた、安倍氏も彼らが秘密の活動・触法行為をしていた証拠などを示していません。
彼らのような人物を指して「工作員」と呼ぶことは、日本語ないしは英語の一般的な用法には存在しないってことです。
安倍「二人の所謂"工作員"というのはですね所謂ジェームスボンドみたいな工作員ではなくて非常に広い意味での工作員というのは、例えば、堂々と"工作課"というのがあって、それは日本で政治的な工作を行うというのであれば、例えば古舘さんに接触をしてなるべく北朝鮮の事を理解してもらおうという行動を取ればこれは工作活動なんですよ。」
・・・いったい誰がそう言っているのか?学者でしょうか?官僚でしょうか?いえいえ、それを言ったのは安倍晋三氏です。そして安倍晋三氏だけなのですwww(@∀@)
なお、諜報機関の部署名などにおけるoperationは、通常は「(軍事的な)作戦」と訳されます。(上記参考リンク参照)。
また、北朝鮮には「工作課」という部署は存在しません。
▼北朝鮮の対外工作部署にはどんなところがあるのか(ソウル=連合ニュース)
http://www.infovlad.net/underground/asia/nkorea/dec2001/1226200101.html
・・・それだけ国際政治に安部氏が精通しておられないから、ご存知ないかもしれませんが・・・(@∀@)
▼日本、W杯最終予選初戦は北朝鮮に辛勝
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20050209&a=20050209-00000035-ism-spo
・・・実は私、サッカーについては非常に興味がない人間です。
今日の日本×北朝鮮戦も、どっちが勝とうがまったくどうでもいいと思っていたのですが、
たまたまテレビをつけたら中継をやっていた。見るともなしに見ていると、日本のサポーター側に、ばかでかい旭日旗をふりまわしている奴がいるのに気がついた。
▼十六条旭日旗 (軍旗・軍艦旗・海軍旗)
http://www.sarago.co.jp/nfhtm/0g.html
「てめコラなに考えてんだクソッタレ」と思わず口走っちゃいました。こいつらのおかげで、「もういいや、こんな奴らを喜ばすくらいなら、ニッポンチーム負けて良し!」という気分にさえ。日本の旧植民地から来たチームとの試合で、軍旗をふりまわすアホがどこにいるかと。もうね、アフォかと、ヴァカかと。「スポーツは政治や戦争の代替物」なんて理屈があるけれど、だったら負け戦の旗をふりまわすんじゃねえよと。まあいろんな意味で無神経なことです。
・・・スポーツ関連でこんな気分になる場面はほかにもあって、たとえば北朝鮮のスポーツ報道によく登場する「偉大なる将軍様のお導きにより、わが国のチームが勝利しました」というフレーズを聞いたとき。あれに対しても、同様の怒りを禁じえない。何が「偉大なる将軍様のお導き」じゃい、がんばっとるのはチームや選手やろがい、おまえそもそも集団スポーツをやったことがあるんかと。これも恐るべき無神経の産物ですね。
ところで試合結果は2−1で日本の勝ちでしたが、後半ロスタイムで最終点が入るというスリリングな試合運びで、正直なかなか楽しめました。後半16分の北朝鮮ゴールでは(守備の死角を衝く見事なシュート)、「旭日旗」どももさぞかし半泣きになったのではないでしょうか。(@∀@)ざまあみろです。
・・・横川武蔵野FCの在日コリアン、キム・ジュドン選手、スタジアムのテレビの取材を受けて、「生まれ育った日本と、祖国北朝鮮が戦うので、そこは複雑な気持ちです」。大阪の生野区の酒場につどう在日コリアンのおっちゃんおばちゃんや、新潟の挑戦学校のいちびった生徒達の大騒ぎ、試合を見ながらの一喜一憂。・・・「将軍様」にはわかるまいが、今夜の試合は彼らのものだ。