・・・下のほうで北海道の「日の丸君が代出来レース」の件に関して思うところを書きましたが、ちょっと互いの着目点にズレがあったかな、と考えています。
・・・私は「君が代」に関しては「内容が日本国憲法や教育基本法の原則(主権在民および民主主義)に反するから、教育現場では歌わない」ということを子供にキッチリ教えるべきだ(@∀@)と考えています。民主主義の原則は「法の下の万人の平等」にありますので、わざわざそれを覆す内容の歌を子供に教えるのは、これはもう「民主主義の破壊工作」ってことに。ただ自宅でこっそりやるのは、それは個々人の「心の問題」ですから好きにすればいいと思います。(@∀@)
しかるに、大日本帝国時代における戦争の「加害体験」どころか「被害体験」の記憶さえ、子供が知る機会が減っている・・・ということが確かにある。これはけっこう深刻なことです。これは要するに、「なぜ今、日本には曲がりなりにも民主主義という制度が存在するのか」についての基礎的な教養が継承されていないということであって、そのような状況下で「日の丸・君が代の是非」を子供に論じさせるとして、それはいったいどのようなロジックを前提として行われるのか(あるいは論じること自体が可能なのかどうか?)という問題が浮上するでしょう。
・・・ただ、更科修一郎氏が『戦時下のオタク』で指摘したように、60年もたてば「戦争の記憶」というのは薄れていっても仕方がないところがある。そうした場合、「戦争の悲惨な記憶」によって支えられてきた憲法の平和主義のリアリティも薄れてしまうわけで、それをどうするか・・・というのが更科氏の論考です。
まー私としては、教育の現場にそれを期待して変化を待つよりも、大塚英志がやるように、ポップカルチャーを通じて日本国憲法の理念を積極的にバラまいていく、それも過去のファシズムや侵略戦争のえげつない部分を知らしめるだけでなく、今まさに進行しているイラク侵略戦争と不法占領への加担に対して、日本国憲法を政府におしつけていくんだ、というロジックを普及していく、それを自分なりに考えてみたいと思っています。
・・・ポップカルチャーは要するに「面白ければ、受け入れられる」。ただそれだけです。いかな『マンガ嫌韓流』『〃2』が必死こいたところで、山野車輪は『天上の弦』や『新暗夜行吏』や『国が燃える』のようには日のあたる場所に出してもらえない。また『はだしのゲン』のように、少年ジャンプに連載され、今も増刷されて、子供たちに読まれていく・・・なんてこともない。それは要するにつまらないからです。そしてまた、民族差別や弱者たたきを是認するようなマンガを、「つまらなくなくする」というのは至難の業でしょう(*)。
ただ、『マンガ嫌韓流』の「ネット上にマンガをばら撒いておく」という手法については、こちらも逆手にとって使えるかもしれないとは思います。
(*)まー例外として、トンデモファシスト漫画『ケンペーくん』は面白いですけどね。(@∀@)しょせん「きれいごと」を並べるだけの山野車輪には逆立ちしても描けないマンガです。
▼米軍による人権侵害の続くファルージャ
@シバレイブログ
http://reishiva.exblog.jp/4121836/
>2004年11月の総攻撃以来、イラク西部の街ファルージャは、米軍の管理下に置かれ、さながら街全体が巨大な監獄のような状況になっているという。
・・・
>・昨年末12月26日、Al-Dubbat/Al-Oula地区の Al-Somoud club 通りで、若い男性が何の理由もなく、米軍に射殺された。
>・今年1月6日、 Al-Dubbat/Al-Thaneya地区で、家を建てていた男性が米軍に撃ち殺された。
>・イスラム教徒にとって神聖な祭りであるイドゥル・アドハ(犠牲祭)の前日であった1月9日、Al-Mu’allimeen 地区で40人の若者が不当に拘束された。
>・イドゥル・アドハの2日目の11日にもAl-Treiza地区で16人が拘束された。
>・1月16日、結婚式の撮影をしていたイラク人カメラマンが、米軍に射殺された。
>・おもちゃの銃で遊んでいる少年達が米軍に射殺されるケースが相次いでいる。・・・
▼イラク自衛隊 活動費609億円 額賀長官明かす(中日新聞社 2006.01.26 朝刊)
@1月26日付東京新聞
>額賀福志郎防衛庁長官は二十五日午後の参院本会議で、イラクに派遣された自衛隊の活動経費について、二〇〇三年十二月の部隊派遣以降、昨年九月末までに約六百九億円の国費を支出したことを明らかにした。陸自分が医療、給水、公共施設の復旧活動やサマワの宿営地の維持管理などに約五百十四億円、空自分が人道復興関連物資の輸送などに約八十九億円、海自分が陸自の装備輸送経費など約五億円となっている。
via綿井健陽ブログ http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-01-30
・・・自衛隊は今も米軍によるイラクの侵略と破壊に手を貸している。
これを推進した政治家と支持者たちの戦争責任は、いつか断罪されなければならないだろう。とりあえずは謝罪と賠償コンボで(@∀@)
・・・きのうのコメント欄で教えてもらったのだけど、
・北海道での場合、教育現場で日の丸君が代は基本的に強制されない。
・ただし年に一回、文部省の意向をうけて校長教頭が推進をはかる。
・それを職組が反対して阻止するという「出来レース」がある。
だそうです。(@∀@)なるほど。
・・・それはねえ、実は「おとなの生活の知恵」なんですよ。
そうすることによって教育現場を文部省から守ってるんです。
たとえば、私の親戚に、公立学校の校長先生をやってる人がいるわけです。
本人は父親が日中戦争&太平洋戦争でエライめにあっているから、日の丸・君が代なんぞはクソクラエ、火をつけて燃やすことになんらの躊躇もない、そういう人間です。
でもね、彼は文部省から通達がくれば、職員会議で日の丸や君が代を導入する動議を出しますよ。それを職組が反対してつぶしますよ。出来レースといえばそうでしょう。でもそれの何がいけないんでしょうか?
もしも親戚の校長先生が最初から「日の丸・君が代は導入しません」と言い出せば、文部省は彼をクビにするでしょう。そうすることによって、彼が教育現場で行っているさまざまな施策はみんなフイになるわけです。文部省が予算カットとカリキュラム粗悪化でガタガタにした学校教育、小泉がメチャクチャにした子供の家庭生活(父親がリストラされれば子供の生活も荒れてゆくという罠)、そういう悲惨な現状を、現場の人間は必死で食い止め、子供を救済しようとしてきた。そうやって実際に成果を出してきたことを、たかが日の丸・君が代ごときのために台無しにはできません。
・・・ですから、北海道でも同様に、教育現場の人々は断固たる決意をもって「出来レース」をやるのでしょう。教育者にとって最優先課題は文部省の「おことば」などではなく、子供が心おきなく教育を受けられるようにすることなのですから。
▼クッキーと紅茶と
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/
※[茂木弘道氏(自由主義史観研究会/南京事件研究会メンバー)の言説]で検索すること。