秋月辰一郎さん死去
▼長崎原爆の被爆者治療に尽力、秋月辰一郎さん死去
(@読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051022i207.htm
>長崎原爆で自ら被爆しながら被爆者治療に尽力した長崎市の医師、秋月辰一郎
さん(89)が20日、市内の病院で呼吸不全で亡くなった。告別式は22日、親族や
親しい友人らだけで営まれた。
・・・この人の生前のことばを見ておこう。
「死の同心円」という言葉には慄然とさせられるものがある。
▼NBC長崎放送 秋月辰一郎氏インタビュー。
http://www2.nbc-nagasaki.co.jp/peace/voices/no10.html
http://www2.nbc-nagasaki.co.jp/peace/voices/no11.html
・・・『この子を残して』の永井隆さんとは、意見の対立があったようだ。
▼浦上燔祭説
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/nisetu.html
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/sannsetu.html
http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/sime.html
つまり、キリスト教者として長崎の原爆被害を「神にささげられた犠牲」とみなす永井氏と、「それは違う。人間のやったことであり、その責任は問われねばならない」とする秋月さんと。
※上記リンク先では、永井氏のような見解が生まれた背景についても書いてある。
・・・永井隆という個人に関しては偉大さを否定しないけれど、こうした発言には確かに「ついていけない」。
・・・ところで、今年9月に完成したばかりのこのアニメ。
まさに今、上映中であるが。
▼アニメ映画「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」(2005年)
http://nagasaki1945.info/
>「日本人は、戦争の本当の悲惨さを知らなかった」
※製作は虫プロダクション。有原誠治監督。
▼アンゼラスの鐘製作を支援するナガサキの会の記録
http://reshow.client.jp/nagasaki1945/mokuji.htm
上映情報
http://nagasaki1945.info/jouei.html
主人公は、秋月さんである。
・・・ジョセフ・ナイはいわゆる『ソフトパワー』論を提唱している人。ある国が国際的な影響力を維持・拡大するには、もはや軍事力あるいは経済力のような「ハードパワー」だけではダメで、むしろ文化や思想や「正当性」といった「ソフトパワー」が重要になってくる、とする。
この「ハード/ソフト」の区分と言うのは、「その国の影響力を、他の国の国民が自発的に受け入れるかどうか」にあるようだ。
▼【靖国参拝】ジョセフ・ナイ教授「思慮に欠ける」…元米政府高官が異例の批判
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20051022/mng_____kakushin000.shtm
>――小泉首相の靖国参拝の影響をどうみる。
>「国際社会での日本の発言力、影響力を損なうことになる。このところ
漫画や映画など日本の文化が欧米やアジアで人気を集め、日本経済も
回復基調で、日本の魅力、つまりソフトパワーは増していた。しかし、
中国や韓国、シンガポールの人々は首相の靖国参拝を戦前や戦中の
(アジア侵略の)歴史を否定する行為と受け止めている。首相には参拝
せざるをえない内政上の理由があったのかもしれないが、国際的影響力
に与えるマイナスを無視したのは思慮に欠ける行為だ」
> 「米国は国連の最終的同意を得ないままイラクに侵攻したため、政策の
正当性がなくなり、国際テロ組織アルカイダにとってはテロリストを募りやす
い状況をつくってしまった。同様に日本も首相参拝の代償を支払うことになる
だろう」>――代償とは。
>「日本は国連安全保障理事会の常任理事国になろうとしている。だが、
過去を否定しようとする日本の行動にいら立ちを感じる国があるなら、
総会で反対票を投じるだろう。特に中国との関係改善は極めて重要
だったが、中国は拒否権を発動するだろう」
・・・
>――小泉首相と日本に何かアドバイスを。
>「最近の漫画や映画だけでなく、歴史を振り返っても日本は西洋文化に
同化するのでなく、伝統文化を維持しながら、経済の近代化を成し遂げてきた。
>他の国には魅力的なモデルとなりうる国だ。国連の安保理常任理事国に
入っても、軍事大国としてではなく、グローバルな文民国家として、影響を
広げられる可能性がある。そうした潜在力を生かすためには、戦後処理は
避けて通れない道だ。小泉首相は靖国への参拝をやめる方法を見つけ
出すべきだ」
・・・もちろん首相には「参拝ざるをえない内政上の理由」、すなわち日本会議=神社本庁ラインの「ハードパワー」が働いていたわけだが。(@∀@)