- 作者: 広田和子
- 出版社/メーカー: 新人物往来社
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 文庫
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・・・1975年に出た本の文庫版。40年ほど前に行われた、女性記者による日本人慰安婦や従軍看護婦たちのインタビュー。
これはもう見つけたらすぐに買え。人々の(特に小林よしのりあたりの)想像を絶する運命に直面した女たちについての、圧倒的な質量を持つ物語だ。正座して読むがいい。
俺もいま読んでいるところなのだが、女性記者だからこそ「男が見落としてしまう点」について仮借なく描写してしまう。それがいかにも重苦しい。たとえば、何十人もの兵隊の相手をしなければならなかった慰安婦、あるいは満州で日本兵に見捨てられ、ロシア人の兵士に強姦されて性病をうつされた看護婦たち、彼女たちの肉体に起こる「取り返しのつかない変化」について・・・。「つくる会」ごときがいかに大日本帝国を賛美しようとも、この本の前にはダニ以下の重みしかない。
・・・俺は従軍慰安婦問題については、まず第一に「大日本帝国の貧困の一形態」であろう、と思ってきた。この本を読むと、やはりそのとおりであったようだ。・・・読み終えてからメモを残しておきたい。