↑『ぼく、オタリーマン４』を読んでいて、まあだいたい面白かったのだが、ひとつだけヤレヤレと思ったページがあった。
街なかで震災救援募金を呼び掛けている募金のスタッフに、ホームレスのおっちゃんがいちゃもんをつける。｢地震で困っている奴を助けようというなら、いま困っているおれを助けろよ｣と。それをみている筆者「オタリーマン」よしたに氏は、｢正論すぎる｣と笑っている。そんなエピソード。
このエピソードについては二点ほど言うべきことがあろう。第一に、ホームレスの男の言うことを｢正論だ｣と笑っているよしたに氏は、じゃあホームレスのおっさんに募金のひとつもしたのだろうか？そんな記述はないが・・・。何もしないで笑ってるだけの人間と、震災被災者に募金する人間、どっちが｢人間の質｣ｗが上なんだろうか。
２ちゃんねるの名言には、「しない善より、する偽善」というものがある。
第二に、Ａという問題に取り組む人間に対して「なぜおまえはＢという問題に取り組まないのだ」と論難する人間は昔からいるが、そういうのは「個人が世界のすべてを救うべきである」という誇大妄想に取りつかれた脳内お花畑の言い草である。資源も人生も有限である以上、人間は自分のこと以外にせいぜい一つか二つの問題に取り組めれば上等なものである。その「自分のこと以外」がろくにできない奴ばかりの社会というのは、やはり相当に生きにくいことになるだろう。
よしたに氏の漫画は「自分はこんなに不幸なんですよ」という自虐ネタ漫画なのだが、そして時々それはツボにはまって面白いのだけれど、この「自分のこと以外」への視点の欠如が、その「不幸」の根源にあるような気がしてならない。まあ往々にして人は幸福のために慣れないことをするより、見慣れた不幸を愛するものだけれど。
ここで俺は提案する。「いま困っているホームレスのおっさん」を救う機会がまさに今ここにあるのだが、「正論」が大好きなよしたに氏やその同類のみなさんは、ぜひ彼らを救うべく行動していただきたい。「震災被災者を募金で支援しようとする人々はホームレスを救わない」と笑うからには、ホームレスのために募金の一つもしなければスジが通るまい。(＠∀＠)
山谷農場(やまのうじょう)というNGOがある。新宿中央公園や上野公園、墨田公園などのホームレスの炊き出しのために、長野県からコメ・野菜を集めて提供している団体だ。本拠地は長野県南佐久郡小海町にある。上野公園には１０００人からのホームレスが炊き出しに並ぶ未曾有の事態が続いており、山谷農場では供給が間に合わなくなりそうだ。
またこの団体と協力関係にある上伊那医療生協SOSネットワーク（http://www.kamiina-mcoop.com/）も、資材不足に陥りつつある。解雇された日系ブラジル人家庭支援にも取り組んできたが、粉ミルクや紙おむつも買えない窮状であるという。さあ彼らを支援して「正論」を実行してみよう（＠∀＠）俺はもう始めてみた。
▼山谷農場 連絡先
http://www.tvac.or.jp/tuna/9084.html
※電話は午前中のみ受け付けるとのこと
▼山谷農場 活動情報
http://www.tvac.or.jp/org/?id=103895
http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/v-info/data/0912/43543_02296.html
