なぜ派遣工場労働者に「元自衛官」が多いのか?
▼橋下知事「40代府職員の自衛隊体験入隊検討」
>大阪府の橋下徹知事は17日、陸上自衛隊信太山駐屯地(同府和泉市)を訪問し、府庁職員の体験入隊について「ぜひ検討したい」と前向きな姿勢を示した。対象の職員として「新人というよりも40代くらいの府庁の事務にどっぷりと慣れ親しんだぐらいの人」と述べ、「自衛隊員のあいさつや姿勢などを学ばせたい」と語った。
>訓練を視察した後、報道陣の質問に答えた。同駐屯地によると、約千円の食費などで2泊3日、体験入隊ができる。午前6時の起床から午後11時の消灯まで、入浴を除いて自由時間はなく、制限時間内での3キロ走、腕立て伏せや腹筋をしたりする体力検定、10キロ行進などに取り組む。
・・・ええと、橋下府知事に質問があります。
▼大阪府知事への提言メールフォーム
https://www3.shinsei.pref.osaka.jp/ers/Uketuke/Form.do?tetudukiId=2008040001
府知事は「府職員が自衛隊に体験入隊すれば、あいさつや姿勢がよくなる」と考えられておられるようですが、それはどういう根拠によるものでしょうか。私にはどうも府知事が自衛隊というところを誤解しておられるように思うのですが。
私は一時、カネが無くて派遣労働の現場にいたことがあります。そこで奇妙な事に気づきました。現場で出会って友達になった人々の中に、「元自衛官」の割合がけっこう高い・・・ということに。
彼らはみんなイイ人で、一緒に酒を飲んで楽しい時を過ごしましたが、あなたが「自衛官」に期待しているような人物ではなかったことは確かです。それどころか「自衛官ってのは一番なりやすい公務員。ちょっと仕事が大変なだけ」「でも洗脳と束縛がウザい」なんて話をいろいろと聞かせてもらいました。みんなとは現場の契約が切れて別れ別れになったのですが、「次は遊べる場所の多い都会で働きたいな」なんて笑ってました。
そういえば、秋葉原無差別殺人事件の容疑者も、同僚だった派遣社員の自衛官に「迷彩服や自衛隊用品はどこで買えるんだ」なんてことを質問していたそうですが。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008060900816
ことほどさように、派遣労働の現場には、意外に元自衛官が多い。このことは何を意味するのでしょうか。私はこれは、労働経済論や社会学・心理学・教育学などの観点から分析する価値のあるテーマではないかと思っています。
これについては私なりの仮説があります。つまり、「自分で仕事のプランを構想しなくてすむ」という点で、自衛官の「任務」と工場の派遣労働は共通点があるのですよ。だから元自衛官と派遣労働とは親和性が高いんじゃないですかね。それが公務労働者に求められる資質と一致するかどうかは疑問ですが。
逆に、自衛隊と派遣労働の違いもあって、それがつまり元自衛官にとっては「派遣の方が自衛隊よりマシ」と思わせるのでしょう。
むろん、これですべてを言い尽くせたとも思えない。まーそれは別の機会に考えましょう。
ところで私は、自衛隊での研修を否定するものではありません。私の出会った元自衛官はみんな、酒と自由が好きで、「権威をふりかざす奴」「他人を束縛する奴」への反発心を持ったナイスガイばかりでした。だからまー、いいんじゃないですか自衛隊研修www何事も経験してみなければわかりません。あなたは要するに職員を「黙って命令に従う兵隊」にしたいのでしょうが、実際の「兵隊」は、あなたの思うほど甘いものではない、ということは断言してもいい。
私も仕事さえ忙しくなかったら、ぜひ参加してみたいんですけどね自衛隊研修。そのときにはぜひ「素手で人を殺せる17種類の技」とかを習ってみたいと思っています(@∀@)www
それにしても、府の財政が火の車である時に、なんともノンキなお話、うらやましい限りです。やはり府知事ともなれば、忙しい民間とは感覚がだいぶ違いますなあ(@∀@)あっはっはっはっはっwww