・・・その小説の名は忘れたが、
そこに登場する悪役の男がこんなことを言うのだ。
このセリフだけは忘れない。
人間の鈍感さに対する一つの真実を言い当てているから。
▼長崎発の「原爆マンガ」来年刊行 平和宣言起草委員・西岡さん
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070808/03.shtml
>長崎発の「原爆マンガ」が来年一月、東京の出版社から刊行されることになった。作者は、長崎市在住のパート職員、西岡由香さん(42)。約七年間、市民運動にかかわり、「原爆を若い世代に分かりやすく伝えたい」との思いを漫画に込める。
>全体のタイトルは未定だが、五、六話で構成。主人公は、東京在住の十五歳の女子高生で、被爆三世のカナ。夏休みに祖母がいる長崎に行き、原爆の実相の一端に触れる。ただ、原爆の被災状況や犠牲者の様子は全百三十ページ中、数コマにとどめた。日常の風景から平和を考えるトーンに仕上げる。・・・
>漫画を本格的に描き始めたのは二十歳の時。OLをしながら恋愛少女漫画を描き、出版社に投稿していたが、いつの間にか遠のいていた。転機は、被爆六十年の二〇〇五年。広島市出身の漫画家、こうの史代さんの「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」が、文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞。「広島だけが被爆地ではない」と思い、漫画作品を描いたが、出版社の編集者からは「広島の二番せんじ」と一蹴(いっしゅう)された。・・・
・・・この方法論は晩年の今井正らがすでに失敗しつくしたやり方だとは思うが、現物を見るまでは何ともいえない。また、いかなる作品であれ、それが「そこにある」ということに意味が生じることもある。たとえ失敗があっても教訓は残る。だからやってみるべきだ。
>・・・原爆の本や哲学書を読み、自問自答を繰り返した。「人が人の上に原爆を落とした罪と悪、それに人間の良心を伝えたい」と考え、被爆者の声を聞いて回り、約一年前から執筆してきた。・・・
・・・被爆者の話を聞くのもいいが、たとえば中高生の声も聞いてみてはどうだろう。ひょっとしたら彼らはあんまり漫画なんか読まないかもしれない。ケータイ小説のほうがアピールあるかもしれないし。
・・・長崎には『はだしのゲン』がいない。
広島の原爆を扱った漫画は無数にあるが、30年以上も絶版にならないできたのは『はだしのゲン』くらいのものだ。このことは『はだしのゲン』が『少年ジャンプ』連載作品であったことと関係があるのではないか、と最近思う。ジャンプ系少年漫画としての『はだしのゲン』。クラシックは時代を超えてゆく。
・・・長崎には長崎の「それ」があるはずで、「それ」はまだ形になっていない。挑戦する価値はあるだろう。
・・・それは伝説の「怪獣のいない怪獣モノ漫画」。
- 作者: いましろたかし
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/07/19
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・・・『コミックボンボン』も年内に休刊になるしで
活躍の場にめぐまれないいましろたかしのために
みなさん買ってください。(@∀@)傑作です。
増刷はかかっているので入手は容易でしょう。
なお「完結版」とはいえ加筆は数ページとのことw えー