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『THE WINDS OF GOD』(つづき)

▼「イラク侵攻」でテロ拡散 専門家が米誌で批判
http://www.usfl.com/Daily/News/05/07/0712_008.asp?id=43107
>11日発売の米誌タイム最新号は、ロンドン同時テロを受けて「対テロ戦争と広報戦略の失敗」と題するコラムを掲載。コラムは、ブッシュ米政権の「イラク侵攻」が世界規模のテロ拡散を招いたと批判した。
>執筆したのは米戦略国際研究センターの対テロ政策専門家、ダニエル・ベンジャミン上級研究員(国際安全保障プログラム担当)。テロとの戦いで「世界はより安全になった」(ブッシュ大統領)とする米政権の政策の限界を指摘している。
・・・


(以下、きのう書いた映画『THE WINDS OF GOD』に関するメモの続き)


・・・とはいえ、この作品はいわば「底抜け」のようなものだ。


今井雅之としては特攻隊員の死を悼んでいるつもり、「特攻」という戦術には批判的なつもりなのだろうけれど、そうは見えない可能性が大きい。
というのも、この映画は、「特攻隊員がなぜ自ら死ななければならない羽目に陥ったか」という問いを、徹底的に回避するからだ。
「特攻」という作戦は、あるいは「戦争」は、まるで台風や雷のような避けがたいモノのようにしか描写されない。なるほど、「避けられないモノ」「どうしようもないモノ」ならば、「それを静かに受け入れる」という態度が一種の美徳のように見えることもあろう。しかし「特攻」や「戦争」はそうではない。
 特攻隊員が、戦局になんら影響を与えないような無意味な作戦のおかげで、「死ななくていいのに死んだ兵士」なのは事実である。その意味では、彼らの死は哀れを誘う。
 しかしながら、
 特攻隊員があれでも一応、アメリカに対する侵略戦争に参加していた事実を、まったく欠落させるのは、あまりにもフェアネスに欠けてはいないだろうか。
つくる会」教科書は真珠湾攻撃をいかにも誇らしげに描くが、
http://www.geocities.jp/peacemag2004/jisonjiei.JPG
宣戦布告して他国の領土に先に攻撃を仕掛ければ、それは普通「侵略」という。
http://homepage1.nifty.com/paganus/treaty03.html
もちろん、攻撃する国がいかに「これは自存自衛の戦いである」と主張したところで、他国の領土を攻撃してしまえば、そんな言い訳は「チラシの裏のたわごと」でしかない。攻撃された国は文字通り「自存自衛」のために全力で反撃を開始するだろう。


 ちなみに、「ルーズベルト真珠湾への日本軍の奇襲を事前に知っていた」という説については、「自由主義史観研究会」ですらも決定的な証拠があると断言できていない。
http://www.jiyuu-shikan.org/goiken/00/01/gmain.html
 その説を認めてしまえば、「つくる会」教科書の真珠湾攻撃における記述を「日本はルーズベルトにハメられた」と改変せねばならない。そのような屈辱を彼らが認めるとも思えない。カッコ悪いからである。


 そしてまた、「特攻」というメチャクチャに無意味な作戦のおかげで「死ななくていいのに死んだ」のは、カミカゼ・アタックで殺されたアメリカの兵士も同様だ。彼らの側にも遺族がいたはずだ。・・・あまり省みられることはないようだが。






・・・『THE WINDS OF GOD』について、言いたいことはまだある。

▼阪野吉平編「生き残った元日本兵戦争証言110」(新風舎)
http://www.shinpusha.co.jp/cgi-bin/php2/data_more.php?more=4-7974-9733-5

・・・これはすばらしい本だ。ぜひみなさん買いなさい。
もともとは地方新聞に連載された聞き取り記事で、軍隊経験のあるお年寄りの「イイ顔」の写真とあわせて、当時の証言を記録している。軍隊のしごきやいじめ、あるいは意外な楽しみ、原爆、捕虜生活、敗戦のどさくさの物資隠匿、シベリア捕虜収容所で看守を買収した話・・・つくる会」教科書が教えない日本史である。(@∀@)
 雰囲気としては、水木サン(水木しげる)の戦記漫画に似た味わいがある。非常にオモチロイ(水木サンのマネ)。・・・もちろん、非常に深刻な証言も数多いのだが。
 従軍慰安婦の話もある。もちろん当時は「従軍慰安婦」などと呼んではいない。w

>あれ、俺達は女郎屋と言ってな、中隊からコンドーム渡されて女郎屋へ行く。軍が管理していて、女達の病気の検査結果も公表されていた。女郎屋には将校用、下士官用、兵隊用と区別されていた。朝鮮人、中国人、それに日本人もいた慰安婦は軍とともに移動していた。」



・・・そして、もちろん特攻隊員に関する証言も。
 特攻隊員は軍の中でも基本的に特別扱いされ、酒や旨いものをあてがわれていた。まずいものが出ようものなら刀を持って厨房に文句をつけに行ったりした。彼らは夜中に飛び立って行き、みな帰って来なかった・・・という。
 現実の特攻隊員の姿は、『THE WINDS OF GOD』で見る特攻隊員像とは、どうやら違うようである。
 あのような狂った作戦を押し付けられれば、人間としては当然のふるまいだろう。

・・・世の中には「特攻隊員の尊い死のおかげで今の日本がある」ということを言う人々がいる。
(さすがに『THE WINDS OF GOD』の今井雅之は、そんなことは言っていないようだ。彼はちゃんねる桜の支持者であるが、
http://www.ch-sakura.jp/approval.php
それでも、この点だけは、まあ、評価できるかもしれない。)


・・・これは基本的にはウソである。
そもそも特攻隊員が守れと命令されたのは天皇中心のファシズム国家「大日本帝国」であって、
国民主権の民主主義国家「日本国」ではない。
「彼らの死はまったく無駄であった。大日本帝国は滅亡した。だから今の日本国がある」が正しい。
そもそも、「・・・のおかげで今の日本がある」という物言いそのものが、非常に粗雑かつ乱暴で、好きになれない。
アメリカが原爆を落としたおかげで今の日本がある」
ソ連満州に侵攻してきたおかげで今の日本がある」
・・・どう思います?(@∀@)



・・・世の中には、「特攻隊員の精神に学べ」てなことを言う人々すらいる。(@∀@)

▼特攻隊員と同じ恐怖心(危機感)をもって
 改革のために必要な心構え
http://www.jiyuren.or.jp/tpc/tokko2.html
自由連合徳田虎雄

・・・要するに「特攻隊員のように覚悟を決めて改革に当たれ」というのだが、一方で負け戦が確定しているときに特攻を行うことの無益さも口にしているので、かなり支離滅裂な論旨になっている。
・・・仮にも病院の経営者なのに、「特攻隊員の心構えで」などと口にするのは、少々いかがなものかと思ってしまうのだが。(@∀@)
「生きてかえらぬ覚悟」だなんて、縁起でもないよねw



・・・『トランス・オブ・ウォー』という言葉がある。
そういう名前の小説を、松岡圭祐(『催眠』『千里眼』などの作家)が書いている。抜群におもしろいので今度とりあげよう。『千里眼』の女主人公が、激動のイラクに乗り込み、あっと驚く手段で戦争の狂気に立ち向かう話。
さて『トランス・オブ・ウォー』は、戦時下におけるトランス状態のことだ。はなはだしい場合は幻覚・幻聴をともない、民間人虐殺や同士討ちの原因となるという。
私なら「戦争ボケ」と訳すけどね。(@∀@)
戦争遂行者たちは、軍歌や教育や訓練、ときには薬物までも使用して、命を惜しむ兵士たちを扇動し、この状態を人為的にコントロールすることに腐心するわけだ。


・・・ところで特攻隊員の精神とは、いったいどのような精神状態なのだろう
それが「健康」な精神であるとは、私には思えない。
「トランス・オブ・ウォー」? ・・・そういうのもあったかもしれない。
いや、むしろそれは「ナムネス(numbness)・オブ・ウォー」、戦時下における正常な判断や感情の麻痺状態ではないか。


・・・それとも、逃げ出すことすらかなわない、深いふかい絶望状態だったのだろうか。

▼最初の特攻隊長・関行男大尉の言葉
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%94%BB%E6%92%83%E9%9A%8A
「ぼくのようなベテランパイロットを殺すなんて、日本軍も終わりだよ」



・・・父方の叔父の一人は、戦時中、まもなく特攻することが決まっていた。
敗戦が8月15日でなければ、そのまま生きては帰って来なかっただろう。


私はこれからも、ささやかながら「特攻隊神話」を破壊し続けていこうと思う。
死んでからもなお利用され続ける特攻隊員を、まさに往生させるために。
・・・簡単なことだ。「特攻隊」にかんする事実を、淡々と列挙するだけでいい。

▼沖縄における特攻隊についての証言
http://hb4.seikyou.ne.jp/home/okinawasennokioku/okinawasennosyougen/syougen-syuuyousyo.htm#%8E%FB%97e%8F%8A
>(知)(アブチラガマ)この壕内には多くの軍需物資が集積されていて、メリケン粉、漬物樽、味噌樽等が山のように積まれていた。その箱や俵の上に特攻隊員は寝ていて、朝鮮の女もいっしょだった。私たち防衛隊員は空の見える筒抜けの壕の底にいて……。(7)


http://hb4.seikyou.ne.jp/home/okinawasennokioku/okinawasennosyougen/syougen-syuuyousyo.htm#%8E%FB%97e%8F%8A
>(糸)嘉手納の野国ですな、そこへ連れられて行ったんです。そうしたら驚きましたのは、名城でわれわれを殴って船を担がした船舶特攻隊の下士官の連中がうろうろしてほとんど全部いましたよ。行って帰らなかった連中です。敵の戦艦を撃沈させたといっていた連中が、真先きになっていたわけですよ(2)



▼角田和男「零戦特攻」(朝日ソノラマ)
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/book/objection/6kamikaze_rei.htm
>「搭乗員宿舎の中を士官に見せたくないのです。特に飛行長には見られたくないので、交代で立ち番をしているのです。飛行長が見えた時は、中の者にすぐ知らせるのです。しかし、分隊士ならよろしいですから見て下さい」
>そう言われてドアを開けた。そこは電灯もなく、缶詰め空缶に廃油を灯したのが三、四個置かれていた。薄暗い部屋の正面に、ポツンと十人ばかりが飛行服のまま、あぐらをかいている。そして、無表情のままじろっとこちらを見つめた目が、ギラギラと異様に輝き、ふと鬼気迫る、といった感じを覚えた。
>左隅には十数人が一団となって、ひそひそ話している。ああ、ここも私たちの寝床ではない、と直感して扉を閉めた。
>「これはどうしているのだ」倉田兵曹に聞いた。彼の説明では、
「正面にあぐらをかいているのは特攻隊員で、隅にかたまっているのは普通の搭乗員です」
>と言う。私は口早に質問した、
>「どうしたんだ。今日俺たちと一緒に行った搭乗員たちは、みな明るく、喜び勇んでいたように見えたんだがなあ」
>「そうなんです。ですが、彼らも昨夜はやはりこうしていました。目をつむるのが恐いんだそうです。色々と雑念が出て来て、それで本当に眠くなるまで、ああして起きているのです。毎晩十二時頃には寝ますので、一般搭乗員も遠慮して彼らが寝るまでは、ああしてみな起きて待っているのです。しかし、こんな姿は士官には見せたくない。特に飛行長には、絶対にみんな喜んで死んで行く、と信じていてもらいたいのです。だから、朝起きて飛行場に行く時は、みんな明るく朗らかになりますよ。今日の特攻隊員と少しも変わらなくなりますよ」
>私は驚いた。今日のあのゆうゆうたる態度、嬉々とした笑顔、あれが作られたものであったとすれば、彼らはいかなる名優にも劣らない。しかし、また、昼の顔も夜の顔もどちらも本心であったかも知れない。(P398-399)

「憲法9条で、アタマ悪い『対テロ戦争』をかしこくサボろう
「愛国心とか夢見てんじゃねーよw
 国家は国民を守らない。君の生活とか老後は特に。」
「日の丸・君が代とか強制してると国が滅びますよ!(@∀@) (例)大日本帝国」