・・・ちょい前のニュースではあるが、メモ。
▼「内政干渉だ」では済まない…靖国参拝で古賀氏(@読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050602ia21.htm
>日本遺族会会長を務める自民党の古賀誠・元幹事長は2日、堀内派の総会で、小泉首相の靖国神社参拝について「『近隣諸国はけしからん、内政干渉だ』というだけで済むのか。立場のある人の発言は、近隣諸国への気配り、外国への思いやりが必要だ」と述べ、中国、韓国などの国民感情などに配慮するよう求めた。
>また、久間総務会長は2日、記者団に対し、靖国神社にA級戦犯が合祀(ごうし)されていることについて、「戦争に至った行政の責任者に首相が頭を下げるのはどうかなと思う」と述べた。
>一方、亀井静香・元政調会長は同日の亀井派総会で「分祀を求めるということは、中国の歴史認識に同調するということだ」と述べ、一部にあるA級戦犯の分祀論を批判した。
・・・外国への思いやりがどうこう、分祀がどうこうということよりほかに、靖国神社の行っている違法行為が、もっと問題にされるべきじゃないだろうか。
▼平成13年(ワ)第954号 靖国参拝違憲確認等請求事件 準備書面
http://page.freett.com/shikoku/95408.htm
>靖国神社への合祀については,遺族の同意ないし了解を取ることは一切行われていない。この事実は戦前から一貫しており,戦後も変わりがない。
>被告国は,遺族の同意も了解も取り付けず,合祀目的の個人情報を戦後50年間被告靖国神社に提供し続けてきた。この間,被告靖国神社に,個人情報の提供を受けることについて遺族の了解を得るよう指導した形跡もない。
>この「遺族の了解」について,被告靖国神社の神野藤(かんのとう)禰宜(ねぎ)は「遺族の同意を得て合祀するのか」という原告住民側の問いに,「御遺族さんの同意を求めるということは,現在行っておりません。」と答えている(『神野藤証言』199頁下段)。
>なぜ,同意を求めないのか。神野藤証人は堂々とこう証言した(同200頁上段)。
>「靖国神社の場合は,国のために亡くなられた方々を,お祭り申し上げるのが靖国神社の創立からの伝統でございますので,広い意味のその伝統によって,従来お祭り,合祀申上げておりますので,その伝統に現在も準拠して,御遺族さんの同意を別に求めないで,合祀を行っているというのが現状でございます。」
>靖国神社が国家の施設ではなく,国家的・公的性格を持たなくなったことが被告靖国神社の幹部神職にはまったく理解されておらず,個人の尊厳尊重の必要性も認識されていない。靖国神社は「憲法番外地」のようであり,また「歴史の番外地」にあるかのようである。被告靖国神社のこの態度・意識状況は,遺族の了解なき合祀を支援し,これに協力してきた被告国の憲法無視・人権意識の欠如の反映でもある。両者共通のお粗末な憲法感覚が,被告靖国神社神職の口を通して語られているのである。
・・・
>遺族の了解もなく,被告靖国神社が合祀を前提にした個人情報を被告国に照会することも,被告国がこれに応じて個人情報を被告靖国神社に提供することも,ともに人権保護の観点から許されず,違法である。
(以下すべてamlよりの引用)
▼6月5日(日)午後10時10分〜翌6日(月)午前0時59分
NHK・BS1「BS世界のドキュメンタリー」
『「テロとの戦い」の真相』日本でもぜひ放映してほしいと思っていた中身の濃そうな番組が、きたる6月
5日(日)22時10分から翌6日0時59分まで、NHKのBS1で『「テロ
との戦い」の真相』として3本連続放送されることになりました。原題は「悪夢
の力」(The Power of Nightmares)。ブッシュ/ブレア政権の進めるカッコつ
きの「テロとの戦争」が本当に額面どおりのものかどうかをじっくり検証する内
容で、この種の調査報道ドキュメンタリーでは定評のあるアダム・カーティスが
脚本と制作を担当しています。イギリスでは昨年10月から11月にかけての3週連続放映で大評判となり、
「英国アカデミー賞」(BAFTA)テレビ部門賞を受賞。先日のカンヌ映画祭でも、
2時間半に編集した映画版が特別上映されて話題を呼びました。アラブ圏でも放
映されましたが、一番見てほしいアメリカでは、残念ながらバッシングを怖れて
テレビ放映の計画がないそうです。番組は各1時間の3部構成で、それぞれ次のような内容になっています。
(NHKによる解説もここで見られます)
http://www.nhk.or.jp/bs/wdoc/
▼第1部「イスラム過激派の誕生」(原題:Baby It's Cold Outside)かつて政治家はより良い世界の夢を提示したが、いまでは人びとを悪夢から守
ることを約束する。国際テロリズムは本当に指揮命令系統が一本化された国際組
織なのか、それとも西側社会の崩壊を防ぎ、政治家が失いかけた権力と権威を取
り戻すための幻の脅威なのか。物語は1940年代末、エジプトとアメリカで生
まれた二つの集団、イスラム過激派とネオコン(新保守主義者)のルーツを訪ね
ることからはじまる。両方とも、現代の行き過ぎた自由主義・個人主義こそ社会
崩壊の元凶と信じたが、やがて道徳と秩序の回復に恐怖を利用するようになって
いく。▼第2部「ビン・ラディンの実力」(原題:The Phantom Victory)
1979年末のソ連によるアフガニスタン侵攻で、イスラム過激派とネオコン
の奇異な同盟が生まれる。アメリカが資金と武器を提供したムジャヒディン戦士
の中に、若きサウジ富豪オサマ・ビンラディンがいた。10年後にソ連が撤退し
たとき、イスラム過激派もネオコンも「悪の帝国」を倒したのは自分たちだと信
じ、それぞれ世界革命に乗り出す。前者はアラブ圏において暴力と恐怖で支持者
を集めようとし、ネオコンはクリントン大統領の追い落としを図って、ともに挫
折に向かった。ここから、空想と欺瞞と暴力に彩られた9・11とその後の世界
が生まれる。▼第3部「作られた恐怖」(原題:The Shadows in the Cave)
2001年の9・11事件後、ネオコンはかつてのソ連をモデルにイスラム過
激派を邪悪な強敵に仕立て上げる。世界には極端なイスラム思想によって9・11
やマドリードの列車攻撃のような無差別テロに走る個人やグループが存在するが、
高度に組織された秘密の国際テロネットワークがいつ西側社会を攻撃するかわか
らないというのは妄想だ。しかしいまや、もっとも暗い想像力をもつ者がもっと
も強い力をもつ時代となった。9・11以降、政治家たちがどのように恐怖を誇
張し、煽り、利用してきたか、さまざまな例を挙げて追及する。
カーティスは『華氏9/11』のマイケル・ムーアと一線を画して、政治扇動
ではなく、あくまでも事実にもとづく冷静な分析に徹したといいます。たとえば、
「アルカイダ」という名称自体、アメリカ政府が2001年に反マフィア法でビ
ンラディンを訴追しようと決めたとき、対象が名前のある犯罪組織でなければな
らないために名づけたものだそうです。また9・11事件以来、イギリス政府が
テロリスト容疑で拘束した664人のうち、現在までアルカイダとの関連を裏づ
けられて起訴された人が一人もいないことも、この番組が取り上げるこうした事
実の一つでしょう。注目に値するのは、カーティスが最初から対テロ戦争の真相究明をテーマにし
たのではなく、1950年代のシカゴ大学でアメリカの再建を夢見たドイツ生ま
れの哲学者レオ・シュトラウスを軸に、現代アメリカ保守主義の台頭を跡づけて
いった結果、自然とこのような番組になったと語っていることです。よく知られ
ているとおり、政治目的達成のために大きな神話を用いることを説いたシュトラ
ウス門下からは、ポール・ウォルフォウィッツやリチャード・パール、ウィリア
ム・クリストル、フランシス・フクヤマといった主要なネオコン論客が出ていま
す。もう一つの特徴は、イスラム過激派をネオコンの鏡像と明確に位置づけたうえ
で、エジプト出身のサイード・クトゥブ(Syyed Qutab)という西側ではこれま
でほとんど語られたことのない人物に光を当て、ムスリム同胞団によるエジプト
独立と、ナセルによるその弾圧から、アイマン・ザワヒリとオサマ・ビンラディ
ンにつながる聖戦思想が生まれた経緯を紹介している点です。この番組について、英語圏ではいろいろな記事が出ていますが、ここでは第2
部の内容に踏み込んだ独立系ラジオホスト、トム・ハートマンの熱烈推薦文を訳
出しました。ハートマンは以前、「スコット・リッター招聘実行委員会」のサイ
トで、ヒットラーの台頭とブッシュのアメリカを比較した「民主主義が破綻する
とき――歴史の警告」を訳出紹介したことがあります。
http://www.ribbon-project.jp/SR-shiryou/shiryou-14.htmオリジナル番組(英語)全篇のストリーム映像とテキストは、下記のサイトで
見ることができます。でも、せっかく日本で放映されるのですから、6月5日の
番組を見たり、見られない人は録画を頼んだりしてはいかがでしょう。
Part 1: http://www.informationclearinghouse.info/video1037.htm
Part 2: http://www.informationclearinghouse.info/video1038.htm
Part 3: http://www.informationclearinghouse.info/video1040.htm(解説:星川 淳、協力:丸田由紀子/TUP)