●●●は兵器である（今週のビジネスジャンプのネタバレあり注意）

・・・今週の『ソムリエール』に渋い軍ネタが登場。

ソムリエール 1 (ヤングジャンプコミックス)

ネ

タ

バ

レ

緩

衝

地

帯

・・・「大日本帝国がワインの酒精をソナーの材料に使ってた」云々の話。

▼原理
＞＜ロッシェル塩＞：酒石酸にカリウムが反応して生じた酒石に水酸化ナトリウムを加えてできる物質で、1880年に圧電効果があることが判明、ソナーの部品として使用された。参考：防衛技術ジャーナル1,’07
＞＜ロッシェル塩の絞り汁＞：ワインのこと。太平洋戦争中、日本がソナーの材料となるロッシェル塩を抽出した後のワインを国民に配給したことによる。戦時中はブドウ農家やワイン生産業者が保護されたため、敗戦後もいち早く本業に復帰した。参考：防衛技術ジャーナル1,’07
http://www.geocities.jp/aobamil/Ragyou.html#ろ
▼事例１
＞戦時中は、葡萄の酒石酸が電探(レーダー)に利用されておりました。果物など贅沢品とされていた中、軍の指定工場だった時代もあるとの事。
http://www.sommelier.jp/kansai/kamechan3.htm
▼事例２
＞話はさらに飛ぶのだが、熟成した葡萄酒の樽の中には、オリというか粕がびっしり張り付いていて、ところどころに酒石酸という結晶体がきらりと光っていたものだ。なんでそんなことを知ってるかといえば、戦時中その結晶体が貴重な戦略物資だというので回収作業をやらされたからだ。
＞中学生のわたしたちは大きな樽の中に梯子を掛けて入ったものである。高さ2メートルもある樽は入ったら周囲と隔絶する。うす暗いなかに、薄いベージュ色の乾いた粕でできた樽の壁に光り輝く薄紫色の結晶体がへばりついていたのを思い出す。
http://ykoma.at.webry.info/200701/article_12.html
▼事例３
＞そんな折、軍需省から酒石酸を生産する工場の設立の話を持ちかけられ
たのです。酒石酸の結晶（ロッセル塩）は、兵器の製造に必要だったもの
でワイン醸造の過程で採取される副産物です。現代のワイン造りでも、こ
の酒石酸が薄茶色の結晶としてワイン樽の縁や底にできるそうです。
＞明治時代からブドウ栽培が盛んだった北条砂丘だからこそ、この酒石酸
製造工場の計画が持ち上がったのでしょう。ちなみに、戦時中は果物の木
は基本的に伐採され、その替わりに穀類が植えられたそうですが、ブドウ
の木だけは酒石酸採取のため全国的に残されていたようです。
http://www.pref.tottori.jp/kouhou/mlmg/topics/568_2.htm
▼事例４
＞「昔の太平洋戦争当時、日本軍から、潜水艦のソナーとして酒石の結晶体が聴音材になるからということで、サドヤを含む山梨のワインメーカーは結構酒石をせっせとつくらされた。ワインに石灰を混ぜると酒石が出てくる。酒石をとった後のワインを売るのであるが激まずだった」
http://www.muse.dti.ne.jp/~tojo917/syuseki.htm
▼松型駆逐艦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%9E%8B%E9%A7%86%E9%80%90%E8%89%A6
＞松型は、従来の艦と同じ九三式聴音機と九三式探信儀であったが、橘型では、新型の四式聴音機と三式探信儀を搭載することになる。しかし、大戦末期の日本の電子機器の性能にはムラがあり、聴音機はともかく探信儀の方は評価が低かったと言われる。余談だが、水測装置のための集音マイクの性能向上のために圧電効果の高い「ロッシェル塩」を使用すると良いというのがドイツから伝わったとき、その原料となる酒石酸を確保するため、山梨県勝沼のブドウ畑のブドウを海軍が全て買い取るという珍事が起こった。