▲キラパジュン『前へ進め』
・・・子供の頃、実家で奇妙なレコードを見つけた。
原色のあざやかな色で彩られた「馬の首」の絵のジャケット。プレイヤーの針を落とすと、素朴な印象のフォルクローレが流れ出た。
ライナーノートによれば、それはチリのフォルクローレ・グループ『キラパジュン』のアルバムで、彼らが祖国を亡命した流浪の身である・・・とのことだった。
フォルクローレ関連のCDを探せば、今でも彼らの曲を聴くことができる。
▼フォルクローレ オムニバス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069KZH/geoci-2-22/ref%3Dnosim/250-3188009-3395465
▼マチュピチュ:チリ音楽
http://www.machupicchu.ne.jp/text/cd/chile.html
・・・ところで、なぜ彼らは祖国を逃れざるをえなかったのか。
それにはチリの現代史を知る必要がある。
・・・つい最近、奇談系ブログ『X51.org』で、チリのネオナチ系新興宗教団体と、かつてのチリの独裁者ピノチェトとの奇妙なリンクに関するネタが登場した。
▼「20世紀最後の真実」 ― コロニア・ディグニダッドの実態が明らかに チリ
http://x51.org/x/06/01/0619.php
・・・チリにおいては、かつてアジェンデ大統領を首班とする「自由選挙で選出された社会主義政権」が誕生。
▼サルバドール・アジェンデ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%87
・・・しかし、これを快く思わないチリの右派勢力と軍部は、アメリカの支援を受けてテロとクーデターで政権を転覆、アジェンデ大統領を死に追い込む。そののち軍事独裁政権を形成したピノチェト大統領が何をしたかといえば、無数の市民への拉致・殺害・拷問であり、強制収容所への監禁であり、外国に逃げた市民への暗殺とテロであって・・・
▼チリ・クーデター
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC
>これら一連の非公然のテロ活動は、DINA単独によるものではなく、チリだけでなくブラジル・アルゼンチン・ボリビア・バラグアイその他ラテンアメリカ各国の軍事政権が非公然に共同して互いの相手国に亡命した反政府派を拘束あるいは殺害していったコンドル作戦の一環だったことが、今日では知られている。
・・・キラパジュンもまた、この弾圧によって祖国へ帰ることのできなくなった人々の一部だった。
▼被害者家族から見た人権侵害
―― チリ、ピノチェト軍政下の「失踪」 by中王子 聖
(アムネスティ・ニュースレター 2001年12月号掲載)
http://homepage2.nifty.com/ai152hannah/0112nl.htm
・・・↑チリ独裁政権が行った拷問方法(CIA直伝)はとても読むに耐えない。ちなみに平井和正の小説『アダルト・ウルフガイ・シリーズ』に登場する拷問のモトネタでもある。
・・・いま中南米諸国では、アメリカ流の新自由主義政策を拒否して、独自の発展戦略と貧困救済をかかげた政権が登場してきている。
▼南米の米国離れ加速 / 資源を国民の手に 弱肉強食に反対 / ボリビア大統領 モラレス氏当確(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-12-20/2005122003_01_3.html
http://www.asyura2.com/0510/war76/msg/995.html
>最近のラテンアメリカの主な政権交代
>1998年12月 ベネズエラでチャベス大統領当選(1999年2月就任
>2002年10月 ブラジルでルラ大統領が当選(2003年1月就任)
>2003年4月 アルゼンチンでキルチネル大統領が当選(5月就任)
>2004年9月 ウルグアイでバスケス大統領当選(2005年3月就任)
>2005年12月 ボリビアでモラレス大統領当選
・・・チリは1989年に民政移管し、ピノチェトは1998年にイギリスで拘束され、チリでの特権を剥奪され、その罪を問われている。
▼アウグスト・ピノチェト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%8E%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%88
・・・以上、「『つくる会』教科書が教えたくない歴史」のひとつ。
▼もう二度と繰り返さない、と誓ったのに ニューヨークタイムズ
@葡萄畑で月を頼りに 国際ニュース翻訳と映画と音楽と個人メモ このページをアンテナに追加
http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20051228/p2
>一体誰が、ファー族に属しているからという理由だけで2歳のザハラ・アブダラを殺したのか?
>ある意味では、その答えは簡単だ。殺人犯は、南ダルフール地方にある、この泥レンガでできた村を4週間前の明け方に馬やラクダやトラックに乗って襲って来たジャンジャウィード兵である。・・・
もう一つの意味では、責任はスーダン政府にある。スーダン政府はジャンジャウィードに武器を与え、ファー族を含む様々なアフリカ人種族を殺害したりレイプすることを許可している。
>そして、責任のいくらかは、ダルフールの反乱軍にもある。・・・
>そして最後に、国際社会―すなわち、あなたや私―にも責任はある。この新たなジェノサイド(大量虐殺)を黙認することで。
▼このジェノサイドは許容範囲内なのか? ニューヨークタイムズコラム
@同上
http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20060107/p1
▼[ブログ]眠れないスーダン/ダルフールで呆然と立ちすくむ支援団体職員が、ありのままに報告する
Sleepless in Sudan. Uncensored, direct from a dazed & confused aid worker in Darfur, Sudan
http://sleeplessinsudan.blogspot.com/
▼<所得格差>「今後、拡大する」71% 本社世論調査
>所得格差が今後拡大すると考える人は約7割に達することが、毎日新聞が昨年12月に実施した世論調査で分かった。親の所得など家庭環境によって、子供の将来の職業や所得が左右される「格差社会」になりつつあると思う人は6割を超えている。収入低下で生活が困難になると予測する人が2割以上もおり、格差拡大への不安が広がっている現状が浮かんだ。
・・・この記事で面白いのは以下の部分。
>しかし、世帯年収1000万円以上の人の39%が「中の下」と回答。300万円未満の人でも12%が「中の上」と答えるなど、客観的な所得水準と生活程度の認識が必ずしも一致しているとはいえない部分もある。
・・・これは要するに質問する側が悪いのだ。
つまり「中流」に関する定義がされてないままアンケートなんかするからこういうことになる。きちんと「中流とは庭付きの家持ちを指す」と定義してから、もういちどアンケートをとってみればいい。