▼独ソ開戦日の事前通報説は虚構=ゾルゲ神話に冷や水−ロシアで新著(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040926-00000162-jij-int
>日米開戦前夜、東京を舞台に大掛かりな情報活動を行った旧ソ連の大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲが1941年6月22日の独ソ開戦日を正確に予告したとの説は、フルシチョフ時代にねつ造された神話だったことが、ロシアの学者による調査で分かった。また、別のソ連のスパイが「6月21日開戦」というより正確な情報を伝えていたことも明らかになった。
>女性歴史家のエレナ・プルドニコワ氏が、ゾルゲの属したソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の資料などを調査し、近刊の著書「ゾルゲはナンバーワンのスパイだったか」で公表した。
・・・スターリンには使い捨てにされ、フルシチョフには利用されたゾルゲ。スパイと言う仕事はつくづく報われない。
しかし「ゾルゲ神話」という表現のは初耳だなあ。そりゃ確かに、ナチス党員の肩書きを持ったドイツ人がソ連のスパイで、大日本帝国の戦争政策が筒抜けだった、というのは伝説的な大仕事ではあるのだけれど。
第一次大戦の悲惨な従軍経験が、ナチスと日本を敗北へ導く伝説のスパイを誕生させた、というのも興味深い話だ。
▼【映画】『スパイ・ゾルゲ』HP
http://www.spy-sorge.com/
▼尾崎秀実『新編 愛情はふる星のごとく』 岩波現代文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006030762/
▼尾崎秀実『ゾルゲ事件 上申書 』 岩波現代文庫
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006030754/
・・・自分の国の政府が、明らかに侵略的な戦争を始めたら、個々の個人に出来ることは何か。
あきらめて戦争に協力するか。
国を捨てて逃げるか。
あるいは、政府の戦争政策を破綻させるために活動を開始するか。
いずれにせよ道は一つではない。
・・・ほるぷ平和漫画シリーズ。なかなか貴重な仕事ではあった。
▼ほるぷ平和漫画シリーズのレビュー
@『独りであること、未熟であること』
http://d.hatena.ne.jp/ifiwereabell/searchdiary?word=%A4%DB%A4%EB%A4%D7
・・・欠点を探せばいくらでもあるだろう。装丁などのビジュアル面の弱さや、「平和漫画シリーズ」という、いかにも読者を選ぶネーミングセンスなど。しかし、それでもなお、ほうっておけば歴史から消滅していっただろう「戦争を題材とした漫画」を、ともかくも収集し再刊した意味は大きかった。またこれは、「そのような漫画が発表された時代」の記録でもあるのだ。
・・・このシリーズ、なんといっても忘れられないのは、ほのぼの系の少女漫画を得意とした巴里夫による『疎開っ子数え唄』だ。破綻した戦争政策がもたらした国民生活へのユガミは、疎開させられた小学生少女たちの社会をズタズタにし、ついには一人の少女を「破壊」してしまう。これを読んだ当時の少女たちに、確実にトラウマを生じさせたであろう、恐るべき作品だ!まさに疎開っ子『バトル・ロワイアル』!
▼ほるぷ平和漫画シリーズ 全巻おおよその内容
http://tares.fc2web.com/horp.htm
復刊ドットコムへのリンクつき
なんとなくメモ。
▼水上勉さんの小説「殺人犯のモデルは私」男性が名乗り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040926-00000501-yom-soci
>「あの小説のモデルは私です」――。強盗殺人罪で無期懲役刑を受け、現在は仮釈放中の新潟県内の男性(73)が、今月8日に85歳で他界した作家水上勉さんの小説「その橋まで」の主人公のモデルだと名乗り出た。
>「立ち直れたのは水上先生のおかげ」。第2の人生を支えてくれた“恩師”との出会いから36年。男性は28日に東京会館で開かれる水上さんとのお別れ会にも参列するつもりだ。
・・・
>小説のモデルになったことは「他人には言わないように」と口止めされていた。水上さんが男性のことを思ってのことだ。男性はこの言葉を守り続けてきた。「私は死刑になってもおかしくない罪深い人間。先生との出会いがなければ、今の人生はなかった。亡くなったと聞いて居ても立ってもいられなくなった」と話す。