・・・少し前の話になるが。
▼学研、「台湾」ない地球儀を販売 中国の圧力で (1/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080110/chn0801100113000-n1.htm
>地球儀「スマートグローブ」の台湾周辺を拡大 学習教材大手「学研」(東京都大田区)グループが国内向けに販売する音声ガイド付きの地球儀が、中国政府から圧力を受けて、台湾を単なる「台湾島」と表記していることが9日、わかった。同社は「中国の工場で生産しているため、中国政府の指示に従わざるを得なかった」と釈明しているが、識者からは「国益を損ないかねない」と憂慮の声が上がっている。
・・・地球儀の表記ごときで「国益」「国益」と(@∀@)
珍妙な記事ではあるが、製造元の学研トイズにはクレームが相次いだようであり、この会社は店じまいに追い込まれた。社員の行く末は「未定」だという。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080117/trd0801172121010-n1.htm
・・・だが、台湾を「中国の一部」としている地図や地球儀は、別に学研トイズだけではない。
http://www.tanteifile.com/newswatch/2008/01/10_01/index.html
日本政府にしてからが、こんな感じで、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E5%9B%BD
>日本政府は、1972年以降は中華民国を国家として承認していないため、公式には「中華人民共和国内の台湾地域」として中華民国を扱っている。これを受け多くのマスコミでは便宜的に「台湾」という表記・呼称を使用している。なお、中華民国を「華」、「台湾」を「台」と略称する例もある。
・・・してみると、「国策」に反しているのはむしろ産経新聞やクレーマーズの方ではないのかということになる。(@∀@)
そもそも一私企業の地球儀の表記ごときで「国益」などが左右されるはずもない。国際的にも、「中国は一つだけど、台湾はちょっと特別」という、タテマエとホンネの使い分けが一般的に行われている。地図や地球儀がどうであろうと、中華民国は依然として中国から独立した存在であり続ける。誇大妄想はチラシの裏に書くべきだ。
・・・さて、その後さらに面白いことが発覚した。
▼売国批判の産経新聞、HPの地図は中国の視点
http://www.tanteifile.com/newswatch/2008/01/13_01/index.html
>日頃は「国益」重視の姿勢を表明し、朝日新聞への批判でもおなじみの産経新聞。ところが、同紙のHPで掲載していた世界地図が中国の視点に基づくものであることが発覚した。
産経新聞もまた台湾を中国の一部として認識していたということだ(@∀@)
学研トイズは解散したわけだが、産経新聞はいったいどのような責任の取り方を魅せてくれるのだろうか。それとも、いつものようになかったことにするつもりだろうか。
・・・「中国政府の圧力」というのは、中国で生産を行う企業にとっては織り込みずみのカントリーリスクである。学研トイズの誤算は、産経新聞というリスクを認識していなかったことにある。日本の各企業、および日本に支社を展開する予定の外国企業のみなさんには、この日本独特のカントリーリスクの存在にご注意されたい。
▼売国批判の産経新聞、HPの地図は中国の視点
http://www.tanteifile.com/newswatch/2008/01/13_01/index.html