▼格差社会って何だろう (内田樹の研究室)
http://blog.tatsuru.com/2007/07/24_0925.php
＞私は刻下の「格差社会」なるものの不幸のかなりは「金の全能性」に対する人々の過大な信憑がもたらしていると思う。
＞だから、あらゆる不幸は「金の全能性」によって解決できるという信憑を強化することは、文字通り「火に油を注ぐ」ことにひとしく、ますます格差を拡大し、固定化する結果にしかならないだろうと思っている。
・・・
＞私は長い間同年齢の人々の平均年収のはるか下、底辺近い「貧困」のうちにあった。
＞だが、私はいつでもたいへん陽気に過ごしていた。
＞ご飯を食べる金がないときも、家賃を払う金がないときも、私はつねにお気楽な人間であり、にこにこ笑って本を読んだり、音楽を聴いたり、麻雀をしたりしていた。
たいていそのうち誰かが心配して、私のために手近なバイトを探して来てくれたので、間一髪のところを何度もしのぐことができたのである。
＞私がつねに変わらず陽気でいられたのは、年収なんか人間の価値とはぜんぜん関係ないということを深く、魂の底から、「確信」していたからである。
・・・その友人と「手近なバイト」が存在しなかったとしても
その「確信」は維持できたかどうか（＠∀＠）
今の問題はそういう命綱さえない人をどうするかというところにあると思うので、
高いところからの文字通りの「ご高説」は現実に噛み合わない。
▼（参考）素通りできなかった時のために
http://d.hatena.ne.jp/yamatedolphin/20070725
＞ただの精神論ではないのかこれは。食べ物をくれ、と彷徨ってる日本兵に、日本人たれ、と訓示を垂れるようなものに思えてしまうんだが。
・・・
＞「金ではない」
＞それは、ごくありふれた、当たり前の、刻み込まれた言説なのだ。
＞むしろそのような事が当たり前とされているからこそ、中にはお金に対する配慮が足らず、夢を無邪気に追う人間を作り出し、気が付いてみればにっちもさっちも行かなくなってた、というのが昨今なんじゃないのか。・・・
・・・「日本はもっとも成功した社会主義国（だからもっと生存競争を導入するくらいでちょうどいいのだ）」などとヨタをとばして
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%80%80%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E5%9B%BD&lr=
資本主義についての甘い考えを流布してきた人々も断罪されるべきだ（＠∀＠）
成長率が調子いいときは、資本が人々に「平等」を錯覚させる程度に小遣い銭をバラまくことなど屁でもないが、もはやそういう時代は（日本には）永久に来ない。だからこそ油断なく生きていく知恵が人には必要なのだが、そのような知恵へのアクセシビリティにすら「格差」はあり、しかも再生産されていくという罠。
実のところ多くの人間は、「資本主義の勝手な都合」に振り回されないように生きたいと願っている。振り回されない人々は稀だが。
音速で振り回され続けているワンコールワーカーたちには、きっと「ご高説」は聞こえないだろう。
