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 「見せて!安倍首相」:大日本帝国による拉致&性暴力の資料公開を

・・・口先だけの「謝罪」だのはいまさら何の意味もねえ(@∀@)
とっとと情報を公開しやがれw
それこそが(日本人を含む)戦時性的搾取の被害者たちへの供養というものだ。

▼同時多発で「大日本帝国による拉致・監禁・戦時性暴力の研究会」を作り、安倍首相に資料開示請求を!



・・・すでに報じられているとおり、安倍首相がこんなことを口走っています。



>「慰安婦問題 安倍首相「自民党調査に協力」<3/8 22:04>
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070308ia21.htm
> 安倍首相は「(Q慰安婦の“強制性”を再調査?)我々は基本的に河野談話を継承していく立場。(強制性は)今後、自民党が調査をしていくということですので、政府としては資料などの提出・提供など、必要に応じて協力をしていく考えです」と述べ、従軍慰安婦の問題については今後、政府ではなく党が調査していく考えを強調した・・・
自民党の有志による議員連盟が政府に対し、従軍慰安婦に関する再調査を求める中、安倍首相は8日夜、党が調査をする場合、必要に応じて資料などの提供に協力する考えを示した。


・・・みなさん、聞きましたか?
聞きましたね?
自民党が調査をしていくということですので、政府としては資料などの提出・提供など、必要に応じて協力をしていく」だそうですよ!(@∀@)

・・・ではもし、民主党が、公明党が、あるいは共産党が、社会党
国政調査権にもとづき、同様の調査をするとなったとしても、
政府は「政府としては資料などの提出・提供など、必要に応じて協力をしていく」わけですよね?



自民党はいいが野党はダメだ」なんて子供の理屈は
いくら「学級崩壊内閣」の安倍総理でも、よもや言いますまいね?(@∀@)www


イエーイ、それでは協力してもらいましょう。防衛省防衛研究所戦史部が非公開にしている
大日本帝国時代のヤバい記録の数々、一気に大公開ってことで!


あそこに南京事件従軍慰安婦関係を含む、非公開ネタが山ほどあることは
研究者の間では常識。http://d.hatena.ne.jp/claw/20041016#p1


・・・てなわけで、各政党のみなさん、それぞれ「研究会」をおったてて、
政府に資料公開を請求しましょう。

安倍さんちの坊ちゃんも、従軍慰安婦・・・いやいや
当時はそんな言葉じゃなかったな・・・
大日本帝国では「慰安婦」とか「パンパン」とか「朝鮮ピー」とか言われていた、
拉致・監禁・性的搾取の被害を受けた女性たちについて、
本当のところが知りたいようだし、
きっと快く資料提供してくれるでしょう。(@∀@)



滅亡した大日本帝国時代の記録なんぞ、
公開したところで「安全保障」にゃ何の問題もありゃしないしネ!
・・・それとも、何か見られて困るものでもあるのでしょうか?(@∀@)
まさかね・・・?



以上、九郎政宗から野党各党への提案でした!

・・・送信完了(@∀@)



▼安倍首相が本誌「敷金疑惑」追及で収支報告書をこっそり訂正していた
週刊ポスト
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG8/20070305/69/

▼安倍首相の団体に違法献金疑惑 共産が指摘
http://www.asahi.com/politics/update/0309/022.html
>安倍首相が代表を務める自民党山口県第4選挙区支部が02年1月、県内のメーカーから50万円の献金を受けていたと政治資金収支報告書に記載されていることが9日の参院予算委員会で取り上げられ、共産党井上哲士氏が、国の補助金を受けた法人からの政治献金を制限している政治資金規正法に抵触する疑いがあると指摘した。
▼安倍首相に「口利き」疑惑
官房副長官時代 産廃委託に業者推薦
参院予算委で井上議員追及
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-10/2007031015_01_0.html

・・・ブーメラン民主党と違って、共産党はこういう追求においてはネタの裏取りが徹底している。ニセメールの時のようにはいかないぞ(@∀@)


・・・ちょっと拾い物をメモしとく。

週刊東洋経済2月24日号
貧困の罠−−生活保護行政の暗部−−生活困窮者を門前払い 
北九州市“水際作戦”の非道
>「何べん通っても、申請用紙をもらえませんでした」「子どもと一緒に死のうと思いました」。取材で見えてきた「闇の北九州方式」
日本国憲法第25条で保障された生存権。その理念に基づき、国民の最低限度の生活を保障するのが生活保護だ。自助努力や親族の助けがあっても生活が成り立たない場合に、不足する部分を支給する。言い換えれば、命を守る“最後のセーフティネット”(安全網)だ。
>ところが、その安全網がぼろぼろになっている。手続きを担当する福祉事務所に何度足を運んでも受給にたどり着けず、路頭をさまよう人々が少なくないのだ。北九州市八幡西区内のアパートに単身で住む中林とも子さん(仮名、44)もその一人だ。
>頚椎ねんざ、薬害、うつ病などの治療のために、宮崎県内から北九州に転居してきた中林さんが、最初に八幡西区の福祉事務所を訪れたのは2006年4月3日。10カ月後の今年2月9日時点でも、保護の開始決定が伝えられてこない。宮崎県内で保護を受けてきた中林さんにとって、北九州市の対応は理解を超えるものがあるという。
生活保護法では、保護の通知は申請から14日以内にしなければならない。財産の調査など必要がある場合には、30日まで延長が認められている。が、北九州市の場合、申請にたどり着けない人が少なくない。
>保護を申請する権利はすべての国民に保障されている。言い換えれば、申請を受け付けないことは、法律に違反する。このことは、厚生労働省社会援護局自身が述べている(『ライフ&ウェルフェア』誌05年1月号)。
>しかし中林さんの場合、申請用紙をもらうまでに4カ月かかった。そして、その後も提出すべき書類が整っていないなどと言われ続け、申請を受理されたのは今年1月16日。
>この間に現金も使い果たし、食べ物にも事欠いた。生活を支えてくれた叔父も昨年11月に仕事がなくなり、電気やガスも止められた。中林さんも1月になり、月2万9000円の自宅家賃を払えなくなった。
・・・
>「もし、今回保護が下りなければ、中林さんは生きていくこと自体が困難になる。
このままだと、門司区の悲劇の二の舞いになりかねません」
>中林さんから相談を受けた後藤景子弁護士は本誌にこう語った。
>「門司区の悲劇」とは、昨年5月23日に区内の市営住宅で、56歳の男性が死後4カ月で発見された出来事を指す。死因は動脈硬化による鬱血性心不全だが、栄養失調による餓死の可能性が高いという。その後、男性が生前に2度にわたって生活保護を申請したいと門司福祉事務所のケースワーカー(地区担当員)や面接主査に話していたことや、同事務所が「長男や次男に助けてもらえ」と追い返していたことも判明
した。
>この男性の死は、国会で取り上げられ、テレビでも大きく扱われた。本誌も06年7月1日号で詳報した。そして、10月23日から25日にかけて、弁護士や大学教授、福祉関係者ら総勢200人を超す「北九州市生活保護問題全国調査団」(団長=井上英夫・金沢大教授)が北九州市を訪れ、門司の悲劇など保護行政の実態調査を行うとともに、25人の福祉事務所への申請に同行した。
>そうした中で明るみに出てきたのが、「全国一厳しい」といわれる保護行政の実態だった。下グラフで示したように、北九州市はここ数年、政令指定都市で唯一、生活保護率を減少させている。最近では、窓口に相談に来た人のうち10%強にしか申請を認めていないことも判明。この率はほかの政令市と比べて著しく低く、「闇の北九州方式」または「水際作戦」(水際で申請者を排除する意)と呼ばれる一因にもなっ
ている。

>25人全員の申請が受け付けられたうえ、その8割に当たる20人が保護開始決定を受けるなど、調査団活動は大きな成果を上げた。また、調査の過程で多くの人が門前払いされてきたことも判明した。調査団に加わった高木佳世子弁護士によれば、「今までに追い返された経験を持つ人が25人中14人いた」という。・・・

・・・人権を守る弁護士を「人権屋」よばわりする厨房は
この国で国民の人権が保障されるようになってからモノをいうがいい(@∀@)
自分の権利が奪われ続けているからといって、「他人もそうであれ」と
願うのはいかにも人間として「下流」だ。

▼貧困の罠−−漂流するホームレス−−セーフティネットなき日本社会の遭難

@2007.02.24 週刊東洋経済
>路上生活者、行路困窮者…。ホームレスの姿はさまざまだ。仕事や医療の保障を欠いた「自立支援」では、生きてゆけない。
キリスト教会の牧師として北九州市内で布教活動に励む傍ら、19年にわたってホームレス(野宿者)の巡回相談に携わってきた奥田知志さん(43)は、ある刑事事件の被告と交流を続けている。
>福田九右衛門被告(75)。文化財的価値の高い三角屋根で親しまれてきたJR下関駅舎を全焼させた放火事件(2006年1月7日未明)で逮捕され、現在、山口地裁で公判が続いている。奥田さんは山口刑務所に未決拘留されている福田被告を見舞う一方、昨年4月以来、手紙のやり取りを続けている。
・・・
「ホームレスの『ホーム』というのは、家族、友人、知人など、人と人との関係そのものを意味する言葉なんだと思う。そうした人との関係性の回復こそが、ホームレス支援の原点にある。だからこそ、福田さんが北九州にいたときに相談に乗ることができていたら、ああはなっていなかったと思うのです」(奥田さん)。
北九州市はホームレス支援事業を、奥田さんが代表を務めるボランティア団体に全面委託する一方、自ら行う生活保護行政については、市民に固く門戸を閉ざしている。福田被告は、運悪く奥田さんたちのセーフティネットにかかることもなく、再び刑務所に戻っていった。
・・・
>仕事や医療の保障がない 3000円アパートの住人
>「ホームレス」とは誰なのか、私たちとどうかかわりを持ち、あるいはなぜかかわりを持つことができないのか。そうした問題意識を手掛かりに、東京都内で取材を続けた。
・・・

・・・ここで日本女子大の岩田先生の意見。

▼[特集]貧困の罠−−格差と貧困を問うインタビュー−−貧困層を排除した「社会保険主義」は誤りだ
2007.02.24 週刊東洋経済 
日本女子大学人間社会学部教授 岩田正
>日本では税制や社会保障制度による所得再分配の機能が極めて小さい。同じ世代で見ても、階層間のやり取りが非常に少ない。
>イギリスやアメリカでさえ高所得層から最下層への移転が少しはあるが、日本ではほとんどない。所得10分位で見ると下から3分位までへの所得移転が極めて小さい。中間層までが社会保障を満喫し、本来、社会保障を必要とする人たちがその恩恵に浴していない。先進国の中では特異な現象で、社会保障制度が再分配機能を果たしていない。
>なぜかというと、日本は「社会保険主義」だからだ。社会保険の給付は保険料をきちんと払った人しか対象にしないし、減税や特別控除のような税の負担軽減策も、低所得の非課税世帯は対象ではない。保険料や税金を払えない層は再分配のシステムから事実上排除されている。
>しかも社会保険主義の下では生活保護を縮小させるモチベーションが強く働く。負担の見返りとして給付を受けるという考え方に立つと、給付のみを受ける行為は「悪」と映る。実際、政府は稼働年齢層への生活保護の適用を極めて厳しくしている。就労に対する手当てとセットに、母子世帯に対する加算廃止を打ち出したのが象徴的だ。
>制度のすき間に生まれた“見えない貧困層
しかし、こうした政策は本末転倒だ。本来、生活保護は保険や年金だけで暮らせない人にその差額分を支給する、という補足的な性格を持つ。生活保護とセットになることで最低生活が保障される。それがきちんと行われるのであれば、年金は最低生活費ではないから低くてもいい。
ところが現実は生活保護受給のハードルが極めて高く、財産を徹底的に調査されるなど、スティグマ(社会的恥辱)が付きまとう。「死んでも生活保護は受けない」などと高齢者が言う。結果として、生活保護と年金などほかの社会保障の間に広大な空白地帯が生まれてしまった。そうした中で、“見えない貧困層”に落ち込んでいるのが、非正規労働者の家族や年金収入の低い世帯だ。
>母子世帯のほかに、統計的に見て貧困のリスクが高いのが、高校中退などの低学歴層。親や資産がない家庭は、貧困への抵抗力がないことがはっきりしている。戦後のモデルになった労働者家族像から逸脱した人たち、すなわちフリーターや独り暮らしなどもここに現れてくる。
>皮肉なことに、これらの人々は1980年代以降、「多様なライフスタイル」としてもてはやされてきた。しかし、制度の対応が遅れた結果、貧困層に追いやられている。
>多様な生き方や何かにチャレンジする生き方をすれば、社会保険でカバーされない事態が起きる。その際、生活保護のような普遍的な制度がトランポリンの役割を果たし、そこからまた跳ね上がっていけるようにすることが重要だ。しかし日本は生活保護を縮小させる方向に進んでおり、トランポリンに穴を開けている。
貧困層を排除した「社会保険主義」を守るために、税金など膨大なコストを投じていることも、もう一つの大きな問題だ。
>1947年生まれ。中央大学大学院経済研究科修士課程修了。博士(社会福祉学)。
数多くの政府審議会委員を歴任。主著に『ホームレス/現代社会/福祉国家』、『貧困と社会的排除』(共編著)など。

・・・それから、これは具体的な行動を起こした人の話。

▼[特集]貧困の罠−−若者たちの生活保護−−「再チャレンジ」唱える空虚 安倍首相に『貧困』は見えない

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、便利屋あうん代表 湯浅誠
>『貧困』が社会全体に広がり、人々の不安のタネとなっている。政策当事者が人ごとのように「再チャレンジ」「自立支援」を連呼する傍らで、見放された人たちが自分たちの再チャレンジを始めている。
>1月31日、私は立て続けに3人の23歳と会っていた。
>朝会ったのは、沼田武さん(仮名)。彼とは都内の区役所で待ち合わせ、生活保護の申請に同行した。

 彼は18歳からうつ病パニック障害を患っていた。原因は、アルコール依存症
父親のために家計が非常に苦しく、金策に苦労したこと(家が電気・ガス・水道を止
められ、彼は生活費の工面のためにサラ金に借金を作ってもいた)、加えて年老いた
祖母の介護があったためだ。

 それでも沼田さんは、派遣労働でADSLの販促やソフトウエアのテストの仕事を
こなし、月収25万円程度を稼ぎ出していた。しかし1月、職場で何度目かのパニッ
ク障害が起き、派遣会社からクビを宣告され、いよいよ生活に窮していた。

 1月22日、初めて福祉事務所に訪れるが、「働ける人は該当しない」と言われ
る。その後、社会福祉協議会、区の無料法律相談会、区の総合案内、ハローワーク
次々に紹介されるが(たらい回し、ともいう)、どこでも「活用できる制度はない」
と言われ、最後に私が関与する「もやい」を紹介されて相談に来た。

 「もやい」の正式名称は、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい。生活困
窮者一般に対して、アパート入居時の連帯保証人提供と入居後の生活相談や当事者の
交流事業を行っている(www.moyai.net)。

 その日、沼田さんの申請は無事に受理された。家庭訪問などを経て、近く保護開始
となる予定だ。

 午後に会ったのは、塚本美結さん(67ページ写真)。彼女もまた、うつ病とパ
ニック障害を患っている。両親は彼女を医者にするために厳しい英才教育を施し、テ
ストで100点を取れなければ暴力も振るった。7〜8歳で「リストカット」などと
いう概念も知らないまま自分を傷つけ始め、13〜14歳で初めて心療内科を受診。
19歳春に自殺を図って措置入院させられ、退院後は自室に外から施錠されて「監
禁」された。現代の“座敷牢”である。家を飛び出た後、風俗で働くなどして食いつ
なぐが、同棲していた彼氏と別々に住むこととなり、単発のアルバイトと障害者年金
だけでは転居費用を工面できず、1月14日に「もやい」に相談。17日、生活保護
申請に同行した。彼女も、最初に福祉事務所を訪れたときには断られていた。現在
は、保護が開始され、無事に転居も果たした。

 夜は、大川直人さん(仮名)と会う。大川さんは身体障害2級で、障害者の通所施
設で働いている。もともと障害者年金を合わせた月収が12万円程度で家賃が遅れが
ちだったところ、障害者自立支援法の制定により通所施設の利用料が発生し、少ない
収入がさらに減った。家賃の遅れを解消するどころか、どう切り詰めても生活してい
けない。彼とは翌週に生活保護申請することを取り決めて、別れた。

 3人の共通点は、いずれも23歳であること、障害を持っていること、そして生活
保護の申請をした(する)ことである。これは、「ふつう」の人々には何の関係もな
い、「特殊」な人たちだけの話なのだろうか。

>さまざまな問題の背後に『貧困』が広がっている

>昨年来、働いても生活保護基準に満たない貧困層ワーキングプア)の問題、ネッ
トカフェを寝場所とする若年層の問題がマスメディアをにぎわしている。問題はつい
に国会の代表質問でも取り上げられるに至っている。「もやい」の活動を始めて5
年。初めてネットカフェからの相談メールが舞い込んでから3年。ネットカフェに暮
らす人、アパートに住んでいるものの家賃が払えず所持金数十円にまで追い込まれた
人、病気の人、健康な人、障害を持つ人、持たない人、男性、女性、単身、家族持
ち、都心に住む人、地方に住む人、10代から80代まで、多種多様な人々が相談に
訪れた。全員に共通しているのはただ一つ『貧困』であることだ。

>「何かがおかしい」「これからどうなってしまうのか」と人々が漠然と不安を感じている。私はしかし、それを明確に名付けることができると思っている。『貧困』が広がっているのだ。いろいろな問題の背後に『貧困』があり、それがさまざまな不安のタネとなっている。
>「日本に『貧困』がある」などと言っても、ほんのわずか前までは誰からも相手にされなかった。『貧困』は遠い昔の、あるいは遠い国の話と相場が決まっていた。しかし、ワーキングプアとは『貧困』のことであり、自殺者3万人のうち8000人は経済苦であり、自己破産した20万人の4人に1人は生活苦が原因でサラ金に手を出しており、児童虐待のある家庭の4割は経済的に困窮しており、「ニート」などと不
当に呼ばれている人々が同居している家庭は、そうでない家庭に比べて所得が少ない。そして、刑務所に収容し切れないほどの「犯罪者」たちは、社会で生きていくすべを持たず、放置されてきた人々である。
>しかし、安倍政権は『貧困』が嫌いだ。1月24日に塩崎恭久官房長官が「新しい貧困」に言及した際、政府首脳は大急ぎで火消しに回った。塩崎氏は『平成18年次厚生労働白書』も指摘している年長フリーターらの非正規雇用問題を焦点化して、自治労など正規雇用労働者を最大の支持母体とする民主党に対し、政府与党の「再チャレンジ」政策こそが彼らの味方だと言いたかっただけだった。しかし使った言葉がま
ずかった。「再チャレンジ」はいいが、『貧困』は人々の意識に上らせてはいけない。『貧困』などと言うのは共産党だけにしておかなければいけない……。
>では、『貧困』と「再チャレンジ」ではいったい何が違うのか。
>『貧困』とは、日本では差しあたり生活保護基準以下で暮らす人たちのことを指す。ワーキングプアとは、働いても生活保護基準に達する所得を得られない人たちのことだ。そして『貧困』が求めるものは生活保障である。働いても生活保護基準に満たない、つまり市場が人々の最低生活を保障できないなら、政府が保障すべき、という主張だ。市場も政府もやらないならどうやって生きていけばいいのか、死ねと言うのか、という叫びが『貧困』にはついて回る。
>他方、「再チャレンジ」は生活保障をしないことが前提である。昨年12月26日に政府が発表した「再チャレンジ支援総合プラン」では、冒頭1ページ目に2007
年度予算1720億円は、一銭たりとも本人たちには支給しない、生活保障には使わない旨が記されている。

>一般世帯の「母子世帯化」日本社会の『寄せ場』化
>『貧困』・生活保障と「再チャレンジ」が単に別々ではなく、実態としては一方が減った分だけ他方が増える、というゼロサム(足してゼロになる)関係に立っていることを、私たちは生活保護母子加算廃止決定から知ることができる。
>政府は、昨年11月末に生活保護母子加算を3年かけて段階的に廃止する方針を決定し、その分を「自立支援」に振り向けると表明した。「自立支援」とは、具体的には多くの場合、福祉事務所にハローワークOBを配置するなどの「就労支援」を意味し、「国家母子家庭等就業・自立支援センターの推進」などをうたった「再チャレンジ支援総合プラン」と同一の趣旨である。
母子加算廃止の結果、生活保護受給の母子家庭の生活は苦しくなる。巷には相変わらずパートタイム労働しかない。それでも文字どおり命を削って二つ三つの仕事を掛け持ちすれば、「自立」はできるはずだ。そのためのサポートはしよう。ただし、保育園を増やして安心して働ける環境をつくったり、低家賃の公営住宅を増やしたりする支援はしない。児童扶養手当も半減させる。これが「自立支援」「再チャレンジ」
である。
生活保護を受けている母子家庭の問題など「特殊」な人たちの問題だ、と言っては
いけない。フリーターなどのワーキングプアが抱える問題、すなわち『貧困』は、母
子家庭の問題と同じだからだ。母子家庭とは、一家の大黒柱が女性である家庭のこと
だ。そして男性正社員が一家全員の食い扶持を稼ぐことが「通常」とされていた日本
社会では、ほとんどの女性には非正規労働(パートタイム労働)しか用意されていな
かった。そのため、先進国一就労率が高く、人一倍苦労して仕事と子育てを両立させ
てきた母子家庭の母親たちは、にもかかわらず一般世帯の平均所得の3分の1しか得
られなかった。そして、現代のワーキングプアの問題とは、両親がそろっていても、
一家の大黒柱が非正規で働かざるをえないがために生活できない、という問題であ
る。つまり、近年起こっているのは「一般世帯の母子世帯化」だ。
>これは「日本社会の『寄せ場』化」と言い直すこともできる。日雇労働者が集まる街『寄せ場』は、かつて大都市の特定エリア(代表的なものとして、東京の山谷、大阪の釜が崎)に限られていた。非正規雇用の象徴である日雇労働は、特定エリアに囲
い込まれ、そこに行かなければ基本的には得られなかった。しかし今、「日雇い派
遣」と呼ばれる雇用形態が急速に普及し、日雇労働者は日本社会の隅々にあふれてい
る。

 朝、現場に向かう人々が集まり迎えの車を待つ姿は、かつてなら『寄せ場』を象徴
する光景といわれた。それが、都心郊外や地方のターミナル駅で日常のものとなって
いる。
「再チャレンジ」は安全ネットなしの綱渡り
>政府の掲げる「再チャレンジ」は生活保障とは違う、むしろ生活保障を削る中で打ち出されている、という経緯と実態を肝に銘じる必要がある。それはいわば、安全ネットなしでの綱渡りを人々に要求している。安全ネットは、綱から落ちた人たちの
命を救うだけでなく、人々が安心して綱渡り(チャレンジ)するために不可欠なもの
だ。一度落ちてしまったら地面にたたきつけられる社会、失敗したら歯止めなくどこ
までも転がり落ちる社会が、本当の意味で多様なチャレンジを可能にする社会といえ
るだろうか。そして「再チャレンジ支援総合プラン」では、この「再チャレンジ」を「国民運動」とするための予算が盛られている。

安全ネットなしで転落して満身創痍になっても、何度でも「再チャレンジ」させられる社会。安倍首相ら観客たちからつねにはやし立てられ、危険な綱渡りをしなければ生きるに値しないかのように言われる社会。私たちは、そんな社会で人生を送るために生まれてきたのだろうか。
>私も取材協力した1月28日の日本テレビNNNドキュメント’07「ネットカフェ難民」の放映直後、私がかかわっている団体のブログに次のような書き込みがあった。

 「再チャレンジする以前の問題で行き止まりです。職業訓練さえ行くための稼ぎ扶持もない。死んでいるのと同じです」(ハンドルネーム無路非希望さん)。

 こんな悲鳴にもならないつぶやきが聞こえてくる。しかし多くの人々はそうした声
に耳を傾けるより大声で圧殺することを選択しているようだ。そんなこと言っているヤツは甘えている、と言っているうちに、『貧困』は私たちのすぐ後ろまで来てしまっているというのに……。

 『貧困』者が求めるもの、それは人間らしく生活できるための保障である。現代日本では、企業から保障されず、家族も支え切れないとき、それをできるのは生活保護制度しかない。これは好き嫌いの問題ではなく、厳然たる事実である。私が同行してきた多くの人たちは、生活保護など受けたくなかった。「あんなもの受けるもんじゃない」という感覚・先入観は、おカネのある人もない人も、実際は全然変わりがな
い。

 「ではどうやって生きていくつもり?」と問われ、ほかに生きる道がないことに思い至って、人々はあきらめて申請する。現行制度の中で唯一包括的な生活保障を行い、『貧困』に対応できる公的制度、それが生活保護である。

 しかし、生活保護では実は「生活」は「保護」されない。たとえ生活保護を受けて所得が一時的に安定しても、アパートでたった一人、話す相手もなく引きこもるように生活するだけでは、そこに希望は生まれない。『貧困』とは、単におカネ(金銭的な“溜め”)がないだけでなく、親族や友人(人間関係の“溜め”)にも事欠く、総体的な“溜め”のない状態を指すからである。
>それぞれの「再チャレンジ」つながりの中に見える希望
>大野浩之さん(仮名、32)は、「もやい」に相談に来た05年冬の時点で1年半のネットカフェ生活を送っていた。派遣で働くもののアパートを借りるおカネは到底貯まらない。親にも頼れない。このまま一生この生活を続けていかなければならない
のか……という不安に押し潰されそうになっていた。

 最初の相談後、彼は「もやい」が当事者たちの居場所として設けた喫茶スペースを
訪れるようになり、そこで出会った年金生活をしている別の当事者の好意でしばらく
その人のアパートに居候した。共同生活をしながら仕事を続け、寝場所ができたこと
で浮いたおカネを貯めること9カ月、大野さんは無事自分のアパートを借りることが
できた。

 また、冒頭の塚本さんは、「真生」というハンドルネームで自らの境遇や考えを記
すブログを作っており、彼女の気負いのない語り口としっかりした考え方に引かれた
人たちから1日3000件という多数のアクセスを受けている。18歳のとき電車に
乗って通学できないことを理由に専門学校を中退し、今でも電車を極めて苦手とする
彼女にとって、ネットコミュニケーションは情報収集・意見交換・自己表現のすべて
において不可欠なツールである。実際、彼女が「もやい」を知ったのは、生活保護
題を取り扱う「ミクシィ」のコミュニティを通じてだった。

 大野さんは今、「もやい」のボランティアスタッフとして、喫茶スペースを切り盛
りする一人だ。塚本さんは、性暴力被害者支援の会「野の花」のミーティング活動等
に参加する傍ら、18歳で児童養護施設を出た後に社会的な受け皿がない子どもたち
の支援活動を行うNPOを設立すべく準備中だ。

 大野さん、塚本さんのあり方は、人が本当の意味で「再チャレンジ」を試みるため
に必要なことは何なのか、をそれぞれの生き方において示している。彼/彼女らの
「再チャレンジ」と安倍政権の「再チャレンジ」との間にはいかなる関係もない。家
族を支えた末に傷つき、たらい回しされた沼田さんは、私が安倍政権の「再チャレン
ジ」について聞いたところ、「知りません。どうせロクなもんじゃないと思うから」
と答えた。

 安倍政権の「再チャレンジ」は大した成果を上げないだろう。政府はそのとき、そ
の責任を彼らが思うとおりの「再チャレンジ」をしない人々に帰そうとするだろう。
安全ネットなしの綱渡りをしない人々を、政府や御用メディアは「意気地なし」とあ
ざけるかもしれない。「もう面倒見きれない」とかぶりを振るかもしれない。
 しかし、見放されているのは安倍政権のほうなのだ。人々はそれをすでにその存在において示している。
>「私たちは、そんな人生を送るために生まれてきたのではない」と。その声を、社会に、政治に、響かせなければならない。
・・・
>1969年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。在学中の1995年より、東京・渋谷を基盤に野宿者支援に携わる。現在、ホームレス総合相談ネットワーク事務局も兼任。著書に『あなたにもできる! 本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文館出版)。

あなたにもできる!本当に困った人のための生活保護申請マニュアル (DO BOOKS)

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「憲法9条で、アタマ悪い『対テロ戦争』をかしこくサボろう
「愛国心とか夢見てんじゃねーよw
 国家は国民を守らない。君の生活とか老後は特に。」
「日の丸・君が代とか強制してると国が滅びますよ!(@∀@) (例)大日本帝国」