- 作者: 赤川次郎,北村薫,夏樹静子,乃南アサ,阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/01/28
- メディア: 文庫
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・・・アムネスティという運動が面白いのは、
人権抑圧に対抗する手段として、
「ハガキを出す」という、実に「敷居の低い」行動を提示したことだ。
北朝鮮や中国の人権問題についての詳細な調査や、
それを食い止めるためのアピール行動は、
全世界の市民サポーターたちの資金援助、そして共同行動によって成立している。
もちろん、日本の教育現場における「日の丸・君が代」強制ハラスメントも、
アムネスティによって糾弾されている人権問題である(@∀@)
・・・さて、残念なことに日本におけるアムネスティのサポーターの規模は
かりにも民主主義の存在する国々の中では、かなり低いほうであるという。
そこでこの文庫本ですよ。この本の印税の半分はアムネスティに寄付されます。
これはアムネスティの趣旨に賛同した7人の作家による短編集です。
・・・ただし新作は赤川次郎だけで、他は再録です。
また、企画の意図は支持するとしても、あえて難を言えば、
小説の内容と企画意図があまり一致してない
というのはいかがなものか。
正直、小説としてはやや古く感じるものもある。
セレクションの段階で力を抜いては、せっかくの企画が台無しになりかねない。そこにこそ全力が注がれるべきだ。
ただし北村薫の「眠れる森」。これは傑作。トリをつとめるにふさわしい。