終わってる「日本核武装論」
▼【中国】外交部:北核問題で米中協議へ、経済制裁認める
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061018-00000004-scn-cn
>自民党の中川昭一政調会長が、日本も核武装を議論してよいと発言したことに対して劉報道官は、「核不拡散条約の締結国である日本が条約の義務を厳格に履行し、『非核三原則』を順守することで地域の平和安定に関して責任ある態度を示すことを望んでいる」と述べた。(編集担当:恩田有紀)
・・・核兵器など使わなくとも、中国が北朝鮮への石油パイプラインを閉じれば「北朝鮮問題」はすべて終了するわけで、「北朝鮮に対抗するために日本も核武装を」とかゆってる温暖化脳のみなさんを中国としてもアキレて見ていることと思われ。
どうもアレだ。最近は「核武装を議論するのがカッコイイ」と思ってる頭蓋骨の中身が「ゆとり教育」な人々が目立つわけだが、そういう発想や議論はもう何十年も前に終わってるから誰も言わなくなっただけのことで、物を知らないというのは悲しいことであるなあ(@∀@)
▼核抑止力の本質(田中宇)
http://tanakanews.com/g0912japan.htm
>戦後の日本が核武装しなかったのは、一般には、アメリカが日本の軍事的な再台頭を恐れて核武装させなかったからだとか、広島と長崎の被爆体験を持つ日本人が核兵器を嫌ったからだとか考えられているが、もっと別の軍事的な解釈もできる。
>日本が核武装するとしたら、その場合の仮想敵は、中国やロシアであるが、いずれも国土が日本よりはるかに広大である。中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる。
>ロシアとの核戦争の場合、1981年の自衛隊の研究によると、日本では2500万人が死ぬが、ロシアは人口の希薄な極東で100万人が死ぬだけである。国土が狭い日本は、広大な中国やロシアと核戦争しても不利になる。核兵器を持つことが戦争を防ぐことにつながるという「核の抑止力」の考え方は、アメリカとロシアなど、国土の広い国どうしが対峙している時にのみ有効である。だから、日本は自前の核兵器を持つより、アメリカという強くて広大な国の核の傘の下に入っていた方が有効なのだ、という分析が最近、アジアタイムスに出ていた。
>この理論で考えると、アメリカが孤立主義に陥ったり、覇権を衰退させた結果、日本がアメリカの核の傘に入れなくなったとしても、それなら自前の核兵器を持てばよい、という話には直結しないことが分かる。
>むしろ、核兵器を持たない方が道徳的には「良い国」であり、核兵器を持たないことは、その分だけ外交的な力を持つことができるとも考えられる。 ・・・
・・・「北朝鮮は何をするかわからない国だから、核武装しなければ危ない」という言説は、それ自体が矛盾している。「何をするかわからない国」が、核抑止力についてだけは理性的判断をするとでもいうのか。
また、「北朝鮮が核武装していて(笑)、日本が核武装していない」という現状のもとで、わざわざ「日本は核武装も検討しております」と公言することのメリットは何だろう。北朝鮮が「ならば日本が核武装する前に叩かせていただきます」と言い出すのを期待しているのだろうか。(@∀@)
・・・なんにしても「日本核武装論」なんていうのを真顔で主張するのは、ちょっとアタマ悪く見えるので気をつけたほうがいいよ、ということで。