嫌韓ロジックの分析と料理法:「日本はお人よしの帝国主義国」?
・・・今日は、ネットでよく見る嫌韓ロジックを、実際の書き込みから分析し、その「おかしなところ」を観察してみよう。
(以下http://notarin.exblog.jp/3228610#3228610_1より引用)
1945年までの帝国主義列強の内で、
対外領土の収支が赤字だった、
つまり、本国からの予算補填が対外領土に
対してなされたのは、日本だけです。
日本は、お人よしの帝国主義国家だったのです。
しかも、日本の支配地域の中で、
朝鮮は最も高待遇を受けていました。
朝鮮民族は、世界一恵まれた被支配民族だったのです。
カイロ会談では、日本の朝鮮支配は史上最悪の搾取圧政
とか、大嘘のプロパガンダをかましてくれましたが。
今でも、そんなウソを教えられてるんじゃないですか?
清もロシアも、それまでの両国の歴史を見れば、
そんなお人よしなことは絶対してくれませんでしたよ。
(続く)
・・・ここで大きく二つの嫌韓ロジックが抽出できる。
(1)「日本は対外領土としての朝鮮に対して赤字を出してまで予算を投入した。→日本は清やロシアに比べてお人よしの帝国主義国家である。」
(2)「朝鮮は日本の支配地域の中では最も好待遇を受けた→朝鮮民族は、世界一恵まれた被支配民族である。」
・・・このロジックには、まず、根本的な問題点がある。
いわゆる朝鮮併合によって、朝鮮はタテマエとしては「大日本帝国」になり、朝鮮人も「日本人」になったのである。そのことは「内鮮一体」というスローガンが(実態はともなっていなかったが)存在したことからも明らかだ。『マンガ嫌韓流』でも、このことは指摘されている。
であるならば、大日本帝国が、「自国」としての朝鮮に予算を投入することは当然である。その収支が「赤字」になったからといって、なぜそこに住んでいる人間がわざわざ感謝しなければならないのか。(@∀@)この矛盾は『マンガ嫌韓流』にもあらわれている。
・・・そもそも帝国主義国が「お人よし」であることは、それは何か自慢になるのだろうか?(@∀@) それは帝国主義の立場から見れば「三流」、民族自決権の見地から見れば「偽善」以外のなにものでもない。
・・・また、「被支配民族であること」自体に苦痛を感じる人々に対して、「お前たちはヨソの被支配民族に比べれば恵まれている」と言うことに、いったいどんな意味があるというのか。それで感謝してもらえると期待しているなら、あまりにも甘スイート(@小林よしのり)である。
・・・もし、金正日がこんなことを言ったら、いったいどんな気持ちがする?
「我々は確かに日本人を拉致したが、新潟の少女誘拐監禁事件のように、被害者をひとつの部屋に閉じ込めたままにするようなことはなかった。わが国の国民が餓死していても、『招待者』には食事を与えてきたし(笑)、ハングルも教えた(笑)。北朝鮮はお人よしの独裁国家であり、『招待者』は世界一恵まれた拉致被害者だ(笑)」・・・クソ食らえ!と思わないか?(@∀@)
・・・嫌韓ロジックとは、まさにそういうクソ食らえロジックなのである。
・・・『マンガ嫌韓流』でもそうだが、総じて嫌韓ロジックには、「いったい何を評価の基準にするのか不明確ではないのか」「相手の人間の反応が想定できていないのではないか」と思われる議論が山ほど登場する。いや、正確には、「なんとか大日本帝国の帝国主義政策を美化したい」という根本的な評価の基準があり、大日本帝国の過去の「栄光」に同一化したいという脆弱な自我が存在するのだが、そんなことをしてどうなるのか。
・・・その姿はまるで、滅亡した国家の残骸にすがりつくラピュタ人のようではないか?
「国が滅んだのに、厨房だけ残っているなんて、滑稽だわ!」(@∀@)
(この項つづく)