・・・そもそも「愛国心」というのは近代化の進行過程でこそリアリティをもって必要とされるものである。すでに「近代化の終了した社会（＠村上龍）」である日本においては無用の長物であり、いくら日本人が口先で「俺は愛国心を持っている」と言ったところで、それはリアリティの裏づけを持たない。
たとえばデ・アミーチスの『クオレ』というのは、徹頭徹尾ナショナリズムの物語であって、いま読み直してみると、そのえげつなさにヘキエキすることがある。だが、そこで語られる「愛国心」には、時としてヒリつくようなリアリティがある。『クオレ』の一挿話である「母をたずねて」で、イタリアのジェノバからアルゼンチンへと、気が遠くなるほどの孤独な旅をしながら母親を探すマルコ少年が、「負けないぞ、僕はジェノバの子だ」とつぶやくとき、そこには圧倒的なリアリティが立ち上がる。「一家を置いて母親が外国に出稼ぎに出なければならない」ほどの当時のイタリアにおける貧困、そのさなかで必死にあがき続ける人間のリアリティが。
▼デ・アミーチス『母を尋ねて三千里』
＠青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/cards/001048/files/45381_18751.html
※高畑勲監督によるアニメ版のテレビシリーズは、さらに圧倒的である。ていうか、もう、「見ない奴は死ね」と言いたいほどのすさまじい名作だと断言しておこう。いや、死ななくていいからとにかく見ろと。宮崎駿、富野由悠季、椋尾篁・・・というありえないスタッフによる、奇跡のような５２話。
http://takahata-isao.net/c02/c02-00.htm
・・・愛国心とは、彼らのものである。
心底から食うに困ったこともなく、「憲法９条改正」を口にしながら自分が軍隊に志願するわけでもなく、朝鮮人・韓国人・中国人を軽蔑することで自らのアイデンティティを辛うじて保ちつつ、「あいつらよりマシだ」と言い訳しながら自らは決して努力しない、そんなニッポンの「愛国ネチズン」にとって、いったい愛国心は本当に必要なものなのだろうか？彼らの口にする「愛国心」には、マルコ少年の旅が体現したような苦痛を伴うリアリズムのカケラもありはしない。
要するに、「ぶっちゃけ本当のところ、おまえたちにとって『愛国心』なんてものは、生きていく上で必要不可欠なものでもなんでもないのだ」ということだ。
・・・そしてまた実際に、もはや「愛国心」には、日本人を支える現実的な力などはい。（もし法や権力で「愛国心」を強制しようとすれば、それは悪趣味なマガイモノになるしかない。）
・・・それはしかし、社会の発展に伴う必然というものであって、別に「不幸なこと」でもなんでもなく、子供が大人になるような、ごく自然なことではないだろうか。近代化を超えたこの国は、もう「愛国心」を必要としない。日本人はそれぞれ、もっと個人的な、あるいはもっと巨視的なロジックを必要とするようになった、ただそれだけのことじゃないのだろうか。
なんでもいいから
具体的に
動くことだね
みつを
▼＜恐喝容疑＞女子高生２人逮捕 ホテルに行った自衛官脅す
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060112-00000066-mai-soci
＞長崎県警相浦署などは１２日、携帯電話の出会い系サイトで知り合い一緒にホテルに行った陸上自衛官から現金を脅し取ったとして、同県佐世保市内の高校３年の女子生徒２人（いずれも１８歳）を恐喝容疑で逮捕した。
＞女子生徒は友人同士で、４０万円を脅し取った際、さらに「あと１６０万円払え」と自衛官２人を脅していた。この恐喝には、女子生徒とメール友達の同県平戸市高越町、漁業、山浦清一容疑者（２６）ら男３人が入れ知恵する形でかかわっており、県警は３人をすでに恐喝未遂容疑で逮捕している。
＞自衛官２人が今月１日、同署に相談し、発覚した。１士は「女子高生はメール友達だと思っていたのに脅された」と話しているという。
・・・ということは、力関係的には
「黒幕の男３人＞＞＞恐喝女子高生＞＞＞自衛官」
ということになるのでしょうか。どうでもいいか。（＠∀＠）
・・・よかったね。（＠∀＠）
ということで、長崎県在住の自衛官のみなさんは、今後とも女子高生（１８歳以上）と出会い系サイトで知り合ってホテルに行っても問題なさそうです。たとえ脅迫されても自己責任でおねがいします。（＠∀＠）
