▼[アクション][投稿]戦後60年、メディアに多様な声を届けたいと思います。
・・・敗戦を迎えて戦後60年の節目が近づこうとしています。日本(欧米も含め)が近代以降、アジア太平洋地域に対して過去に行った植民地支配と侵略に関して、歴史教育を含めた戦争・戦後責任ならびに被害者の方々への個人補償を真摯に果たせるよう、一人一人が自主的にメディアへ声を届けることによって、新しい息吹ある世論をつくっていければと思い、ささやかながらメールをさせていただきますことをどうかお許し下さい。
末尾には、新聞社をはじめとする声の届け先を列挙させていただきました。非常に不十分なリストで申し訳ありませんが、普段接しているメディアや特に意見を伝えたい連絡先に、メールなどを送っていただければ幸いです。
敬語報道によって多様な天皇制批判を難しくしている点やNHK番組改変問題など色々と伝えたい意見はありますが、私自身は、とりわけ8月15日の「終戦記念日」の社説や前後日の特集記事等で、昭和天皇の戦争責任を大きく問題提起してもらいたいと考えています。
よく知られていますように2001年8月15日『朝日新聞』の社説(「終戦記念日 2001年夏 歴史に対する責任とは」)で、「陸海軍を統帥し、すべて天皇の名において『皇軍』への命令が下されたことを考えても、やはり天皇の戦争責任は免れない、というほかあるまい」と明記されました。
今後ともメディアには昭和天皇の戦争責任を問う姿勢に基づいた報道をしてもらいたいと思います。小泉首相は4年連続、靖国神社に参拝を続けています。その中で、問われ続けているのは「戦前・戦時の日本『帝国』の侵略行為とアジア支配をめぐる歴史認識の落差で」す(『「帝国」と植民地 年報・日本現代史第 10号』現代史料出版、2005年、鄯頁)。
毎年8月15日の全国紙社説だけを見ても、加害責任への言及があったとしても、それはたいてい1〜2行ほどの「一応、触れましたよ」風な弁明程度の記述にすぎません。それが、まさに歴史認識の落差を示すものなのです。私たちの意識に大きく影響を与えるメディアがそのような現状にあるということに、日本が能動的に戦争・戦後責任を果たそうとする気運を中々育めない所以があると私は考えています。
また問題意識が高い人は強い関心をもっているとはいえ、日本の大半の人が、昭和天皇の戦争責任や天皇制についてあまり関心がないと思われます。しかし、そのことと天皇の戦争責任の問題を考える必要性とは全く別の話です。
これから東アジア共同体を中心とする多様な地域共同体への参画を目指そうとするのであれば、なおのこと日本の過去のあやまちを直視し、未来のための友好を目指す取り組みを柔軟に広げていく必要があります。現に、歴史副教材として話題になっています日中韓3国共通歴史教材委員会〔編〕『未来をひらく歴史 東アジア3国の近現代史』(高文研、2005年)の試みは、過去に立脚した未来志向を発揮する素晴らしい試みではないでしょうか。
いまなお「九条の会」などで精力的に活動をされている戦後数多くの知恵を紡いできた鶴見俊輔さんは、過去にこんな文章を書かれたことがあります。
「天皇の戦争責任があることを、私の戦争責任の自覚をとおして追求してゆくつもりです。」(エール出版社編集部〔編〕『我々にとって天皇とは何か』エール出版社、1971年、23頁)
この「私の戦争責任の自覚」を、「私の戦後責任・未来責任の自覚」に組み替えてゆくことが、戦後生まれの世代が継承していける未来志向なのだと思います。
それぞれ人の数だけ、異なる思いがあるに違いありません。数に根拠はありませんが、メディアに声を届ける人は大多数ではないでしょうから、1人が声をあげるだけで、それはきっと10人、いや100人分くらいの重みがメッセージに付加されるはずです。
例えば新聞社であれば、「(加害責任にも重きをおいた)8月15日の社説に期待しています。」といった一文を送ってもらうだけでも十分だと思います。また、新聞には投書欄もあります。
そしてこの趣旨に賛同していただけるようであれば、ご友人やメーリングリストなどに転送していただければ幸甚に存じます。
<参考文献>
天皇制の本は膨大な量になるので、詳述できませんが、全般的な書としては、吉田裕さんの『日本人の戦争観』岩波現代文庫、2005年や高橋哲哉さんの『戦後責任論』講談社学術文庫、2005年などが入手しやすく参考になります。
より詳しくお知りになりたい方は、『象徴天皇制と現代史 年報・日本現代史第9号』2004年、『「帝国」と植民地 年報・日本現代史第10号』2005年、ともに現代史料出版、などがおすすめです。
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【★メディアなどの連絡先】
1新聞社など(投書含む)
2政党
3雑誌など
【1】新聞社など
[朝日新聞] http://www.asahi.com/reference/form.html
kouhou@asahi.com
[読売新聞] webmaster@yomiuri.co.jp
[毎日新聞] simen@mbx.mainichi.co.jp
[日経新聞] https://sch.nikkei.co.jp/nikkeinet/
[産経新聞] u-service@sankei.co.jp[共同通信] feedback@kyodonews.jp
[時事通信] webmaster@jiji.com
[NHK] https://www.nhk.or.jp/plaza/mail/index.html
[中日新聞] center@chunichi.co.jp
[北海道新聞] info@hokkaido-np.co.jp
[西日本新聞] syakai@nishinippon.co.jp など(社会部)[京都新聞] kpdesk@mb.kyoto-np.co.jp
[神戸新聞] webmaster@po1.kobe-np.co.jp
[河北新報] dokushasoudan@po.kahoku.co.jp
[信濃毎日新聞] center@shinmai.co.jp
[中国新聞] dokusha@chugoku-np.co.jp
[沖縄タイムス] henshu@okinawatimes.co.jp
[琉球新報] koe@ryukyushimpo.co.jp など(読者投稿欄)※ほかは共同通信社( http://www.kyodo.co.jp/ )の加盟新聞社のサイト、もしくはJanJanのメディア一覧
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■投書■
《朝日新聞》 tokyo-koe@asahi.com (東京)
dai-koe@asahi.com (大阪)
seibukoe@asahi.com (西部)
mei-koe@asahi.com (名古屋)
《読売新聞》 tousho@yomiuri.com
《毎日新聞》 https://form.mainichi.co.jp/annuncio/hiroba/
【2】政党
[自民党] http://www.jimin.jp/jimin/main/mono.html
[民主党] info@dpj.or.jp
[社民党] http://www5.sdp.or.jp/central/12mail.html seisaku@sdp.or.jp など(政策審議会)
[公明党] http://www.komei.or.jp/announcement.html
[共産党] info@jcp.or.jp
【3】雑誌など
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[週刊朝日] wa@asahi.com
[サンデー毎日] t.sunday@mbx.mainichi.co.jp
[週刊現代] wgendai@kodansha.co.jp
[週刊金曜日] henshubu@kinyobi.co.jp
[世界] sekai@iwanami.co.jp
[論座] ronza@asahi.com
[中央公論] chuokoron@nifty.com
[季刊前夜] npo-zenya@zenya.org
[JanJan] https://www.janjan.jp/user/contact/gen/p_mail_form.php
[九条の会] mail@9jounokai.jp http://www.9-jo.jp/
大変お忙しい中、最後まで目を通していたきまして本当にありがとうございました。心より深くお礼を申し上げます。