▼今週の柳沢きみを『THE大市民』（＠アッパーズ）
・・・『大市民』（＠双葉社）の頃から好きだったのだが、最近ちょっと愚痴っぽくないか。
そもそもは、美意識に反するものを切り捨て（生活や精神に介入させず）、自分の生活を孤高に充実させようとする作家・山形鐘一郎の生活スケッチ・・・のはずだったのだが。今や「俗情を斬る」返り血で俗情まみれになってしまったかのよう・・・
それでも時々、「うっ」とくるような切実なエピソードがあるからついつい読んでしまうよ。「ビール美味（うま）し！」
▼Violence flare in Baghdad as government unveils sweeping security measures（AFP）
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/afp/20040708/wl_mideast_afp/iraq_worldwrap_040708075533&e=3
・・・イラクでアラウィ首相が承認した緊急法案の話。政府による夜間外出禁止令、逮捕、外国人の移動制限、通信の開封、電話盗聴、政治的なグループの活動や集会の禁止などを認める。
・・・俺の知っている「民主主義」とは、だいぶ違うな。ていうかフセイン政権とどう違うんだ。
・・・『週刊文春』の連載コラムで小林信彦が、「みなさん、今度の選挙には必ず投票に行ってください」と書いている。
「もうこれで年金も消費税増税も安泰だ、と霞ヶ関のほうで笑ってる奴がいる」と。
「趣味に生き、趣味に死ぬ」はずだった人たちが、こういうことを発言するようになった。みんな「ヤバイ」と思ってるのだ。
・・・小林信彦を知らない？そんな人にはここを紹介だ。
▼ノブヒコム
http://nobuhicom.at.infoseek.co.jp/
・・・ミステリー雑誌の編集者、テレビの放送作家をへて作家になった人。長編小説『僕たちの好きな戦争』(新潮社)を推薦。「戦争を喜劇で描く」という野心作。映画や笑い、ミステリーや文学に関する短いコラム集も多数出版している。
・・・ブラッドベリ(『華氏４５１』)が書いた小説作法かなにかの言葉に、
悲しみに向かう緊張を作る。
緊張を解くと、読者は泣く。
笑いに向かう緊張を作る。
緊張を解くと、読者は笑う。
といった言葉があった。（うろおぼえ）
・・・作家は、「自分の文章が、読者にどのような感情を引き起こすか」を考えながら小説を書く。
比較することではないかもしれないが、
政党は、「市民がどのような感情を引き起こすか」を考えて広報活動をしているだろうか。
たまたま家に入っていた自民党のビラを見て、そういうことを考えた。
ビラのキャッチコピーは、「テーマは、『日本』。」だそうだ。なんだそりゃ。
なぜか安倍・小泉が寄り添って立ってる写真が使ってある。安倍はどんどん爺さん（岸信介）に似てくるなあ。どんどん頬がたれて。
裏側には「小泉改革の３年間」と名うって、「実績」が列挙してある。
まるで読まれることを拒否するかのように、細かい字で書かれている。
そして肝心なことは何も書いていない。
現実はそんなんじゃねえだろ、と思って、昨日の日記を書いてみた。
この自民党のふざけた文章に、日本の現実を映像とグラフで突きつけてみたら、その落差が運動エネルギーを生み出すのではないか、と。
自分でもイマイチなことしか書けてないなのはわかってる。「でも、やるんだよ！」（＠根本敬）
・・・民主党は今日の新聞広告で年金問題について語ってる。
フローチャート式なのは新味だが、まるで保険の広告みたいな文章だ。
それに、「消費税増税」の主張をオブラートにくるんだような書き方でごまかしてるのは好かん。「目的を福祉に限った３％の税を創設」って、要するに「３％増税」だろ。
そもそも消費税は「福祉目的」とかゆって導入されなかったか？そこにペテンがあったことを認めるのか？
それより何より、なんか面白いニュース↓があるんだが、これについてはどうなんだ？
▼自・民・公「大連立」も 山崎拓氏米で講演 衆院選後の見通し示す（産経）
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040707-00000024-san-pol
・・・それを手にした人が、激怒せずにいられない。
・・・それを手にした人が、泣かずにはおれない。
・・・それを手にした人が、思わず笑ってしまう。
選挙に勝ちたい政党は、そんなビラを作るべきだ。
広告代理店を雇うな。脚本家やマンガ家やフォトジャーナリストを雇え。
たとえば、いま国に見捨てられつつある高齢者の典型例を、その半生をからめて小説のように（言いたくないが、『プロジェクトＸ』のように）読み物形式で書く。「これだけ働いてきて、日本を『経済大国』にしたはずなのに、なぜ老後を安心して迎えられないのか」と。焼け落ちた街に生まれ／路傍の石と育ち／馬車馬のように走れど／いまだ安らぐこともなく／ボーン・イン・ザ・ＪＰＮ！ボーン・イン・ザ・ＪＰＮ！
たとえば、ヨドバシカメラ派遣社員殴打事件をドキュメント風に紹介し、若年層労働者の悲惨な現実をさらけだす。（あのニュースは新聞にはいっさい報道されなかった。彼らもヨドバシカメラというお得意様を失いたくないのだ。）それに対して各政党がどう対応したかも書く。
たとえば、「多国籍軍は出てけ」が８割を占めるイラク人が、今どれだけの恥辱を感じているかを書く。理由の示されない逮捕と拷問。突然家に押し入って、部屋を破壊しつくして去る米兵たち。各地の刑務所での無意味な暴行。それらを容認する「イラク政府」。自衛隊が「多国籍軍に入る」というのがどういうことかを見せつける。
たとえば、これ。
▼日本の借金時計
http://www.takarabe-hrj.co.jp/takarabe/clock/
・・・これはmiyutomo2さんのところで見つけた。うまいねチキショウ。（http://d.hatena.ne.jp/miyutomo2/20040708）
