>これはどうしたことだろう。中東アラブの春の民主化運動は、中途半端に終わりそうな様相である。・・・
>第1の理由は「民主主義が売れなくなったこと」。20年前の中東欧諸国では民主主義は自由と繁栄を約束するものだった。民主化すれば貧困から這い上がって豊かな暮らしができるようになる、と米国と西欧諸国は宣伝し、東欧の人々はそれを信じて政権打倒に立ち上がった。ところが今現在、中国は民主化しないまま経済的繁栄を達成してしまった。これに対して西側諸国は財政・金融危機に陥っている。民主化と繁栄は直接結びつくものではないではないか、と受け止められている。
>第2に、情報通信技術の発達は体制打倒をめざす市民の組織化には役立ったが、新しい真に民主的な社会システムの構築を組織化するにはあまり役立ちそうもないことだ。ブルガリアの政治学者、イバン・クラスチョフ氏が唱えている説だそうだ。・・・
>ネットが求めるのは…バイアス(偏見)を「そうだそうだ、その通りだ」と確認してくれる情報だけである。「独裁者を打ち倒せ」という呼びかけには簡単に応じてくれるが、民主主義に基づいた開かれた社会制度を構築しよう、という呼びかけには反応が鈍い。
http://www.47news.jp/47topics/premium/e/214243.php