柳沢協二発言まとめ
▼高野孟 海兵隊の抑止力とは何かを検証せよ! ―― 朝日オピニオン欄の柳沢協二の議論に同感する
http://opinion.infoseek.co.jp/article/743
柳沢協二=防衛研修所特別客員研究員(元防衛省官房長、内閣官房副長官補)による論説文を以下のように要約
>海兵隊はいつでも、世界のどこへでも出動する。特定地域の防衛に張り付くような軍種ではない。したがって「沖縄かグアムか」という問いに軍事的正解は存在しない。それを決めるのは、抑止力をいかにデザインするかという政治の意思だ。
>抑止とは、攻撃を拒否し報復する能力と意思を相手に認識させることによって、攻撃を思いとどませることだ。相手が当方の意思を疑わなければ、個別の部隊配置は2次的問題である。
>冷戦期、米ソは明確に敵対していた。だが今日、米・中・日は生存のためお互いを必要としている。経済の相互依存の深まりが抑止戦略をどう変化させるのか、検証が必要だ。
>「海兵隊が抑止力」という考えの本質的な意味は、いざとなったら海兵隊を使うということだ。例えば、中国が台湾に進攻した場合、海兵隊を投入すれば米中は本格的衝突になり、核使用に至るエスカレーションに至るかもしれない。米国にとってそれが正しい選択で、日本は国内基地からの海兵隊出撃にイエスと言うのか。
>自戒を込めて言えば官僚も政治家もこれまで、そういう深刻な戦略問題を十分に検証してこなかった。専門家は、あいまいな方が抑止力強化に役立つと言うかもしれない。だが、地元にとって基地はあいまいでは許されない現実の負担だ。
>アジア諸国の中にも海兵隊のプレゼンスを望む声があり、米当局者もアジアの多様な課題には海兵隊が必要だと言う。だがそれは沖縄でなければならない理由にはならないし、本来の意味での抑止力でもない。
>戦略的従属性と基地負担という2つのトゲの解消は、今なお同盟にとって最大の課題であり、結論を急がず、米国と「対等な」戦略論を展開してもらいたい...。
・・・海兵隊が沖縄にあることに実は軍事的な合理性なんかない、という意見はほかにも見られる。
▼防衛省OB太田述正アングロサクソン文明と軍事研究ブログ
防衛白書を2度執筆した安全保障の専門家の視点で軍事情報と国際政治の分析から核武装と憲法改正に向けた、アメリカの属国である日本の独立を目指します。
http://blog.ohtan.net/archives/51974973.html
>なお、私は、『実名告発 防衛省』で、「実働部隊を沖縄に残したまま、<海兵隊の>司令部・・・をグアムに移転させる・・・<というのは、>軍事的合理性に反する・・・案<だ>」(203頁)、「朝鮮戦争終了後、海兵隊の部隊が北東アジアにおいて実戦に投入されたことは一度もない」(204頁)等と指摘し、爾来、米国は今後、海兵隊を北東アジアで使う意思はない、と言い続けてきているところだ。
>2ちゃんの諸君、議論する時は、きちんと引用して議論しろよな。