- 作者: 三橋貴明,渡邉哲也
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2009/07/07
- メディア: 単行本
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・・・俺は韓国経済に関する知識は無いに等しいので、「韓国経済ヤバイ」といわれても「そうですか」と棒読みするしかないのだが、なんとなくこの三橋センセイの言うことには腑に落ちないことがある。最新刊を読んでその疑念はますます強まった。
三橋センセイは、「日本経済がヤバイヤバイというのは反日マスコミだ。実際には日本企業には十分な力があるのだ」と以前から主張していらっしゃる。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/24235282.html
ところが今回の新刊では(わたし立ち読みしたのですがw)、センセイはたとえば派遣村を取り上げて(それもずいぶん憎々しげにw)、まるで派遣村がマスコミに取り上げられたせいで日本経済に大々的なダメージがあったようなことをおっしゃる。
となると、センセイは「日本経済は派遣村によって左右されるほどのていたらくだ」と主張なさるのでしょうか。いったい日本の大企業はすごいんですか?すごくないんですか?(@∀@)俺にはセンセイのおっしゃることがよくわかりません。
・・・そもそもマスコミというのは大企業がスポンサーなのですから、朝日だろうが読売だろうがスポンサーの意向には逆らえません。そして大企業というのは、できれば賃金支払いは圧縮したいわけですから、「俺たちには派遣を正社員として雇う余裕はない」「日本の企業にはそんな力はないのだ」「解雇もやむなし」という主張をしたがるものです。
▼「御手洗 冨士夫」@wikipedia
>「世界的な景気の落ち込みで各社が減産に追い込まれ、苦渋の選択として雇用調整が行われている。経営者としては当然の判断だと思う。」
※第6代キヤノン社長(現・会長)。第2代日本経済団体連合会会長。
・・・そして一方、労働運動などの側からすれば、「そんなことはねーだろう。金はずいぶんあるんだから、大企業は雇用を確保しろ。社会に責任を果たせ」と要求することになります。
▼大企業は雇用責任果たせ テレビ討論 こくた氏が主張
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-03/2009010302_02_0.html
>日本共産党のこくた恵二衆院議員(国対委員長)は、一日放映のテレビ朝日系「朝まで生テレビ!」に出演し、「脱・貧困! ドーする?!経済・雇用危機」のテーマで各党出席者などと討論しました。
・・・
>こくた氏は、「大企業が社会的責任を果たす必要がある」と強調。一年間で二千八百億円の利益を上げているキヤノンが千七百人のリストラを計画しているとし、「年収二百万円としても三十四億円。体力は十分にある」と述べました。首都圏青年ユニオンの河添誠書記長も、キヤノン三兆七千億円、トヨタも十三兆円以上の内部留保があるとし、大企業の「経営危機」論を批判しました。
・・・つまりですね。三橋センセイの言ってることは現実とはアベコベなんです。(@∀@)
まあセンセイの肩書きは「経済評論家」であると同時に「作家」でもある、ということなので、
たとえ何をお書きになったところで、それはまったく「作家的想像力の産物」ということでよろしいのではないかと思うのです。でもこれからは、著書の冒頭か最後に「この物語はフィクションです」と書いていただかないと、現実と空想をごっちゃにしてしまう人たち・・・センセイのご本の愛読者とか(@∀@)・・・が大いに混乱するのではないかなあ、なんてことを思ったりもするわけですv
・・・ちなみに私は「日本企業ってスゲーよな、だから派遣社員を雇用するくらいワケないだろ。すこしは内需拡大に貢献しろよw」とつねづね思っていますが、こんな私はぜんぜん「反日」じゃありませんよね?www
・・・ついでに書いておけば
韓国政界や経済界に問題がないとは俺は一切思わない。とぼしい情報や韓国人の友人から聞く限りではあるが、絶望的な話はいくらでも聞いている。ただ、それを飯のタネにせねばならない三橋センセイという人にも、絶望的な事情があるのかもしれない。人間が生きていくというのは、なかなかこれで厳しいものだ。