ハーレム展開と横浜空襲:小林尽 『夏のあらし!』
▼夏のあらし!@wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%97!
・・・小林尽のマンガは、「スクールランブル」からそうなんだけども、面白いんだかそうでないのかよくわからない。まあ作品が連続してアニメ化されているので世間の受けは悪くないんだろう。
今回の作品でちょっと興味深いのは、マンガではほとんど(皆無?)扱われたことのない横浜空襲が、物語のバックビートとして描かれていることだ。
▼横浜大空襲@wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%A4%A7%E7%A9%BA%E8%A5%B2
>横浜大空襲(よこはまだいくうしゅう)は、1945年5月29日の昼間に米軍によって横浜市中心地域に対して行われた空襲である。B-29爆撃機517機・P-51戦闘機101機による焼夷弾攻撃で約8千〜1万名の死者を出した。
▼横浜大空襲の記録
http://www.history.independence.co.jp/ww2/contents.html#yok
このマンガに登場する美少女の「幽霊」たちは、みな横浜空襲で「しんでいる」のだが、どういうわけか夏の間だけ肉体をとりもどし、制限されたタイムスリップ能力を発揮し、空襲の犠牲者を救い出そうと時間旅行を繰り返す。主人公である目つきの悪い中学生は、自分が惚れた「幽霊」の願いをかなえるため、タイムスリップの補佐役をつとめるようになる。
戦時中の描写に、さほど細かなリアリティはない。ただまあ、「物心ついた時から戦争があたりまえ」という社会の日常を垣間見せることも時々ある。
ハーレム系ラブコメと横浜空襲、このすわりの悪い作品がどこへ行くのか、どこかへ行き着けるのか、もうしばらく読み続けてみる。中学生の夏の恋なんかに、ろくな結末があるはずもない。にもかかわらず立ち向かう心は、確かにいま描くべき価値があるのではないか。
・・・ところでアニメ版主題歌があっと驚く下品さであるのは
大いに評価したいところだ(@∀@)