「美しい国」の醜い政治:「もと中国残留孤児への自立支援は不十分」との判決
▼残留孤児 国に賠償命令 『帰国、自立支援怠る』
>兵庫県などの中国残留孤児六十五人が、日本への早期帰国実現や帰国後の自立支援を怠ったとして、一人当たり三千三百万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁は一日、原告六十一人について請求を認め、総額四億六千八百六十万円を支払うよう国に命じた。四人の請求は棄却した。
>判決理由で橋詰均裁判長は「孤児の帰国を違法に遅らせた上、必要な自立支援義務を怠った」と国の賠償責任を認定した。
・・・
>判決はまず「国は残留孤児の消息を確かめ、自国民救済という観点から早期帰国を実現すべき政治的責任を負っていた」と指摘。「国は責務を負っていたのに、身元保証書の提出がない限り入国を認めないなど帰国を制限する違法な行政行為をした」と述べた。
>また「永住帰国後五年間は、生活の心配をしないで日本語習得などの支援を行う義務があったのに怠った」と認定。北朝鮮の拉致被害者への支援策と比較して「残留孤児への自立支援は極めて貧弱だった」と述べた。
>請求を退けられた原告四人は、帰国時期が早く、二十年で賠償請求権が消滅する除斥期間を適用した。また「原告の損害は日中国交正常化後の政府関係者による違法な職務行為による損害であって、戦争損害ではない」として「国民が等しく受忍する戦争損害の一つ」とする国の主張を退けた。原告は、残留孤児となったのは国策による旧満州(中国東北部)への入植という「先行行為」に起因し、国には早期帰国と自立支援の義務が生じたのに怠ったと主張。「憲法が保障する日本人として人間らしく生きる権利を侵害された」と訴えた。
- 作者: 本宮ひろ志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (11件) を見る