▼ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて・上巻』(岩波書店、2001年)
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060213#1139762265
>後日行なわれた調査記録を読むと、影響力をもつ人々の非常に多数が、天皇の放送が行なわれた後の二週間の混沌の間に軍の倉庫から勝手に物資を持ち出し、軍事予算や日本銀行から急いで代金を支払ってもらえるよう軍需業者や旧友のために手を打ったり書類を破棄することに、目が覚めている時間のほとんどをあてていたとの印象は拭えない。日本史上最大の危機のただ中にあって、一般大衆の福利のために献身しようという誠実で先見性ある軍人、政治家、官僚はほとんどいなかった。旧エリートからは、賢人も英雄も立派な政治家も、ただの一人も出現しなかったのである。
>その後の調査によれば、帝国陸海軍が保有していた全資産のおよそ七〇%が、この戦後最初の略奪の狂乱のなかで処分された。もともとこれは、本土約五〇〇万人と海外三〇〇万人余りの兵士のためのものであった。だが、話はこれで終わったわけではなかった。降伏から数ヵ月後、占領軍当局は、それまで手付かずできちんと管理されていた軍の資材の大半を、公共の福祉と経済復興に使用せよとの指示をつけて、うかつにも日本政府に譲渡してしまったのである。これら物資の大半は、建築資材と機械類であり、内務省は財閥系企業の五人の代表からなる委員会にその処分を委任した。その総価値はおよそ一〇〇〇億円と見積もられたが、これらの資材もすぐにほとんど跡形もなく消えうせた。(133-134p)
・・・このような、大日本帝国の滅亡による混乱の中での
軍人や官僚による国家(国民)財産の私物化や略奪は、
大日本帝国支配下の朝鮮における「親日派」の財産形成と
まさに相似形をなしているのではないか、とかなんとか
知ったかぶりを並べてみるよ(@∀@)