▼トンデモ「研究」の見分け方・古代研究編
@朴 斎 主 頁
http://www.hmt.toyama-u.ac.jp/chubun/ohno/tondemo.htm
>ところがインターネットの普及は、こうした状況を一変させてしまいました。ウェブサイト開設に審査はありませんから、どんなにとんでもない内容の「研究」でも、ウェブサイトを使えば全世界に向けて手軽に発表することができます。しかも検索サイトの充実により、こうしたトンデモサイトも容易に人々の目に触れるようになってきました。そしてレポート作成などのために参考となるサイトを探している学生などが、トンデモサイトに引っかかってコロリと騙されてしまう例も少なからずあるようです。
>しかも始末の悪いことに、古代中国や古代日本に関するトンデモ「研究」は、多くが何らかのイデオロギーに染まっています。ほとんどは「日本は偉い、中国憎い」という、国家に対するコンプレックスの解消を目的とするものですが、こうしたイデオロギーは経済の失敗で自信を失い、中国や韓国の台頭におびえている日本人の気分にとてもマッチしていますから、人々の支持を集めやすいといえます。現に西尾幹二『国民の歴史』のような本も、歴史の専門家がこぞって無視している間に(この本のイデオロギーが気に入らないから無視しているのではなく、歴史学の手続きを踏み外しているから無視しているのです。くれぐれもここを間違えないように。)、少なからぬ人々の支持を集め、ナショナリズム高揚に確実に一役買っているのです。
>そして「イデオロギーのためなら、どんな詭弁も強弁も許される。ひたすら声高に叫べばよい」という悪しき風潮が広がりつつあります。・・・
>そうなってくると、ネット上に蔓延するトンデモ「研究」に対しても、もはや無視を決め込んでいるわけにはいかなくなります。といってもトンデモ「研究」のイデオロギーを問題にするのではなく、ただ「学問的に成り立たない」ことを、人々に分かりやすく示すことが急務であるといえます。本稿では古代に関するトンデモ「研究」とはどういうものか、それはどうして「トンデモ」なのかということを解説するものです。・・・