・・・ここんとこブーンドックス(http://www.livejournal.com/community/boondocks_comic/)で取り上げられているstem cell(一般には幹細胞と訳される。stemは植物の茎や幹のこと。)の話。
幹細胞は人間の「胚」(精子を受精した卵子のこと)から取り出される。胚は女性の子宮に着床すれば胎児に育つが、そうしなければ「ただの細胞」のままだ。しかしこの胚を破壊して取り出した幹細胞は、人体のさまざまな部分の細胞に分化しうるとかいう。病気や事故で臓器を失った人を救うことができるかもしれないとも。
ところで、「胚(=人間の受精卵)はもはや人間である」と考える人にしてみれば、幹細胞研究は「殺人」であると見えるかもしれない。
理屈としては、わかる。
しかし、これはいったいどういうことか?
▼幹細胞研究所にパイプ爆弾 ボストン郊外(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040828-00000132-kyodo-int
>米マサチューセッツ州ボストン郊外にある幹細胞などの研究施設「アマランス・バイオ」で26日朝爆発があり、地元警察は27日、爆発はパイプ爆弾によるものだと発表した。ロイター通信が伝えた。
>警察によると、施設には何者かが侵入した形跡があった。地元ラジオは、爆発に関係があると思われる人物を警察が既に特定したと報じた。爆発で負傷者はなかった。
>クローン人間づくりにつながる可能性が指摘されるヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)は、研究規制の全面解禁に慎重な共和党と規制に反対する民主党の間で、大統領選の争点の一つになっている。
・・・なぜ共和党がこれに反対し、今回のような狂信的な攻撃が行われるかといえば。
(※妊娠しにくい人などが体外受精を行うときには、一回の手術で複数の胚を作っておいて、その中から状態がベストなものを選んで女性の子宮に着床させる。着床した胚は胎児に成長していく。では、使用されなかった胚は、どういうふうに扱われてるか?それを調査した記事↓。)
▼体外受精:余分に作られた胚の行方は?(ホットワイヤード)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040830-00000004-wir-sci
>ごく初期の胚から取られた幹細胞は、人体にある数百種類の細胞のほとんどすべてに分化する可能性を持つと考えられている。幹細胞が分化する細胞の種類を科学者がコントロールできるようになれば、さまざまな病気の患者を治療するための細胞を生成できるだろう。
>しかし、宗教団体や妊娠中絶反対グループは胚性幹細胞(ES細胞)研究に反対している。幹細胞を抽出する際に胚が破壊されるが、このような団体ではこの際に人間の生命が奪われると考えているためだ。米国のブッシュ大統領が発表した http://www.whitehouse.gov/news/releases/2001/08/20010809-2.html 幹細胞政策では宗教上の理由を引き合いに出し、ES細胞研究に対する連邦政府の資金提供を、2001年8月9日までに抽出された細胞株を使うものに制限している。
・・・倫理的にあやうい部分、意見の分かれる部分がある話ではあるが、だからって爆弾テロはないだろう、爆弾テロは。
受精卵に人権を認めるなら、あんたの息子が毎日ムダ撃ちしてる精子にも人権を認めてやれ。ティッシュで丸めて捨てたりしないで墓を立ててやるべきだ。一回あたり2億から6億の墓標を作ることになるが。(お下品
いや、それより、アブグレイブやバグダッドやダルフールの罪のない子供たちにこそ人権を認めてやれよ。グアンタナモの囚人にも人権はあるはずだ。
・・・肝細胞が興味深いトピックであることは確か。
▼Yahoo!ニュース/幹細胞研究
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/human_stem_cell_research/
・・・そういえば、映画『CASSHERN』に出てくる「新造細胞」は、まさにこの幹細胞(ステム・セル)のイメージを誇張したものなのだけれど、それで椎名林檎の名曲『茎(stem)』が劇中で使用されていたのだな、と今頃気づいてみたり。