スタジオボイスオンライン
http://www.studiovoice.jp/
・・・紙媒体としてはなくなった雑誌だが、ネットでこうして機能しているのは善哉。
最近の記事では増山麗奈さんのことも書いてある。
http://www.studiovoice.jp/news/2010/01/post_802.html
創造的なことを何一つ語れない城繁幸、本当にコンサルなのか(@∀@)
・・・以下の作文に関して思うことをメモしておく。
▼新規起業しない日本人 本当にヘタレなのか
http://www.j-cast.com/kaisha/2010/01/20058285.html
要約すると、こういうことが書いてある。
「新規起業による産業の創出は民主党も主張している実際にはうまくいかず、起業意識も年々低下しているという報道もある。「日本人は保守的」とか「リスクを取る気概がない」という意見もあるが、日本人がリスクを取らないのは「正社員身分」を捨てることの“リスク”がとんでもなく大きいからだ。日本における正社員制度は、手厚く規制で守られ、非正規雇用という奴隷もおり、大手企業なら経営ピンチになると国が金まで出してくれる美味しい身分。そこに入れるのは原則として新卒採用の一回限りで、優秀な人材はこちらを目指す。
たとえば、絶海の無人島に10人の漂着者がいたら、泳ぎに自信のあるタフガイが危険だが豊かな資源のある海に出てゆき、そうでない弱者が安全だが資源のとぼしいビーチをうろうろして椰子でも拾うのが効率的だ。腕っ節の強いやつが楽な椰子の実拾いを独占したら全体の生産性は確実に低下する。能力のある人間がある程度リスクを取ってくれるようなシステムが必要だ。これが日本経済が過去15年にわたって低迷し続けている原因だろう。本来ハイリスクに挑むべき人材が大企業に入り規制でそこそこのリターンを独占&満足。そうでない弱者がローリターンな底辺で働き二階部分のハイリスクまで引き受ける。雇用システム全体をパッケージで見直すべきなのに、保守派は「自己責任だ」というだけ、共産党は「資本階級が悪い」と赤旗の拡販に利用する。
全体のパイを増やすには、魚獲りも椰子の実拾いも自由に行き来できる仕組みが必要だが、連合というケツ持ちのいる民主党にそれは実現できない。もうしばらく苦難の時代は続くはず。椰子の実を拾う人は低い労働生産性を長時間残業で、海に入る人はリスクを気合でカバーするしかなさそうだ。」
どうですか社長さん。こんなことしか言えないコンサルと組んで仕事ができますか?(@∀@)これを鵜呑みにするような人はそもそも組織を経営する能力を持っていない。以下、逐一説明してみよう。
・・・まず第一に、この作文は誰に何を伝えようとしている文章なのか。俺には全然わからないw
起業を考えている人々に書かれたのだろうか?だとしたら結論は「リスクを気合でカバー」ってことになる。
「非正規雇用」=不安定な労働条件を強いられている人々に書かれたのだろうか?「長時間残業」どころか仕事そのものが消滅しているというのに?
それとも「正社員」に向けて書かれたのだろうか?「お前らは規制に守られて既得権益という甘い汁を吸う美味しい身分だ」ということを伝えたいのだろうか。そんなことを言われてもポカーンとするばかりだろう。
▼城繁幸の主張はわかるが、中高年はどうすればいいのか
http://www.ippongi.com/2009/09/02/
※「まさむね」というハンドルの人の文章だが、俺(九郎政宗)とは何の関係もないw
▼派遣切りは前哨戦! 本格化する「正社員切り」の先にある危機
http://diamond.jp/series/analysis/10064/
> 「派遣切りが話題になっているが、財務的に見れば、年収100〜300万円の非正社員をいくら雇用調整しても、大きなインパクトはない。実は企業が本当に切りたいのは、正社員だ」・・・
▼35歳で年収300万以下 団塊ジュニアの苦難続き人生
http://www.j-cast.com/2010/01/23058330.html
>「35歳の年収は、10年前より200万円下がった」。2009年12月に発売された書籍『"35歳" を救え』(阪急コミュニケーションズ刊)が示した「現実」だ。低い年収で結婚をためらう男性、住宅ローンが支払えなくなり生活破綻する家庭。大学卒業時に直面した「就職氷河期」以来、団塊ジュニアは苦難の人生が続いている。・・・
結局、城繁幸の作文は誰にも何も伝えようとしていない、グチっぽい独り言にしかなっていないのではないか、ということだ。
また、日航の事例を考えてみても、政府は企業を救うのであって、社員を救うわけではない。グループ社員の3割にあたる1万5700人の「削減」や、給与の引き下げ、企業年金の減額・・・むしろ社員は切り捨て・負担押し付けの対象なのだ。
このように、そもそも現状認識が誤っているので、上の作文はますます「何を言ってるのかわからない」ということになる。
・・・第二に、どうしようもない貧弱な世界観の、しかも現実とミスマッチなたとえ話がイタすぎる(@∀@) 現実社会を説明するのによりにもよって「無人島」でつか(@∀@) 国家も大企業も中小企業も労組も協同組合も消費者も労働者も銀行も小売業も流通業も存在しない「無人島」を使って、現代社会の何を説明しようというのだろう? まるで「世界が百人の村だったら」wwどんだけお花畑ww(@∀@)
ひょっとして城繁幸という人は、「起業というのはタフガイであれば=能力さえあればできる」とでも思っているのだろうか? こんな人物にコンサルをされちゃ、どんな会社もたまったものではない。アメリカにおいて、たとえば学生が卒業と同時に起業できるというのは、それを可能にする社会的な基盤があるからだ。大学のカリキュラム、無数のベンチャーキャピタリストやインキュベーター、太っ腹の個人投資家・・・。同じ条件が日本にあるだろうか?
日本における「起業」の現実については、以下の本が参考になる。起業にともなう実際のリスクが詳細に紹介されている。「正社員身分を失う」とか、そんなものは起業の本当のリスクなどではない(@∀@)
現実の説明になっていない「たとえ話」をふりかざすほどハズカチイことはない。そもそも現実社会において、個々の人間が「リスクを引き受けられるタフガイ」のような存在になれるはずがない(大金持ちや世襲政治家の息子は別としてwww)。現実の社会において「リスクを引き受けられるタフガイ」のような存在といえば、それはもちろん大企業であり、銀行であり、国家であろう。
・・・第三に、「じゃあこれからどうするか」という答えとして「椰子の実を拾う人は低い労働生産性を長時間残業で、海に入る人はリスクを気合でカバー」って、どんだけ貧弱な想像力と現状認識だよ(@∀@)って話。現実社会では、自称「コンサル」の城繁幸よりもはるかに豊富で有意義な方法論が提出されているというのに・・・(←ここまで書いた。以下書きかけ)